第45話

同じ車両の君は(❤️)
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2024/01/03 11:22
ー3年後
あなた
早いね、もう卒業式終わっちゃったよ
千切豹馬
なー
千切豹馬
あなたの下の名前が駅で迷ってなかったら俺たち会ってなかったかもな
あなた
うーん…そう考えると迷ってよかったかも?
千切豹馬
よくねーよばか笑
今日も、同じ時刻、同じ車両、同じ座席で座って話している。でも、この時間も今日で終わり。
私は教職に進むために近くの国公立大学へ、千切くんはサッカー選手になるために体育大学へとそれぞれ進学した。
あなた
そいえば千切くんの進学先ってどこにあるの?
千切豹馬
んー、そこそこ遠い
千切豹馬
だから一人暮らしを視野に入れて今は物件探し中
あなた
へえ…
なぜだかいつもより全然会話が弾まない。電車の中に気まずい空気がたちこめた。
千切豹馬
…あなたの下の名前は?
あなた
私はここから電車で行ける距離だし、財力的にも実家から通うかな
千切豹馬
そっかー
千切豹馬
じゃあ会えなくなるかもな
あなた
…うん
あなた
(あんまりストレートに言わないでよ…)
あなた
(だって受け入れたくないし)
私があまりにも顔に出しすぎるから千切くんに心配されたが、なんとか乗り切って電車を降りた。
あなた
(これが、千切くんと話せる最後のチャンス)
あなた
(もう怯えてちゃだめだ)
心の中で3年間考えて、練習してきた言葉を何度も唱えて、覚悟を決めたその時
2人
あなたの下の名前!/千切くん!
千切豹馬
あなた
いや、あの、私はなんでもないからどうぞ!!!
千切豹馬
笑笑
千切豹馬
…これあげる
それは、ブレザーのボタンだった。ブレザーの1番上のボタンがなくなっているので、多分第一ボタンだ。

「卒業式の日にブレザーの第一ボタンを好きな人に渡すと、結ばれる」
私の学校の噂を思い出して、急に顔が熱を帯び始めた。
千切豹馬
じゃあ、気持ちは伝えたから
あなた
あっ、ちょっと…!
何かをやりきったように早足で去っていく千切くんを、私は必死で追いかけた。
主
お詫びも兼ねてアフターストーリーもあげようと思っていますm(_ _)m
主
今後は週1(多分土曜日)のペースで投稿を続けようと思います
主
ところでなんですが、
主
初投稿から1年経っていて驚きました
主
趣味程度の作品をこんなに読んでもらているなんてすごく嬉しいです!
主
これからも私の作品をよろしくお願いします🙇‍♀️🙇‍♀️

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