飛行機から降り、人でごった返しているなかを歩き、その人混みもまばらになってきたというところで久しぶりだがおなじみの顔を目にし、少しの嬉しさと若干の申し訳なさを感じる。
「おかえり」
「おん、ただいま」
その笑みと軟らかい声は、離れている期間があれど再び目にし、また耳にすることでどこからか分からないが安心感が湧き出るのを感じる。
「お疲れ、フライト長かったやろ」
「あー、まあそれなりにな、でももうさんざん移動しとるし、慣れたわ」
「それより、せっかくのオフに来んくてよかったのに」
「いいやろ、俺が来たくて来たんやから」
「久しぶりの再会ぐらいちゃんと会いたいやんか」
「ふーん、そうですか」
「な、どこ行く?」
「あなたを連れてきたかった喫茶店あるんやけど、そこ行ってもええ?」
「おん、何でもええよ、休憩できるんやったら」
「おっしゃ、じゃ決まりな」
「絶対好きやと思うんよ、あの雰囲気」
「あ、行く前に先に実家に顔出してええ?」
「おん、ええけど、そしたら俺も挨拶せえへんとな」
「そやったら嬉しいわ、おとんおかんも喜ぶやろうから」
「したら、俺の親にも挨拶してってや」
「あなたのことそろそろ帰ってくるころやなって気にしてたから」
「そやな、近いしせっかくなら寄ろうか」
「お、じゃあ後で行くって連絡しとくわ」
そう言ってスマホを操作するタツノリを見て、俺も一応連絡しとくかとポケットからスマホを取り出した。











編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。