第17話

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2025/01/06 08:14 更新






保科side






あなたの下の名前の記憶がなくなって

心に穴が空いたみたいになった

手足が冷えて

何もしていないのに疲れていて

やる気も出ない

こんなんじゃ、あなたの下の名前が怒るに決まってる

…でも今のあなたの下の名前は俺のことを怒ってくれん

叱ってくれん

俺のことを叱ったあとに見せる笑顔も

今じゃ見れん



保科宗四郎
保科宗四郎
…あなたの下の名前っ、


当たり前と思っとたことが

こんなにも儚いとは思わなかった

この手から離れていく感覚が

怖くて堪らない

自分がこんなに弱いなんてな…

保科宗四郎
保科宗四郎
…ほんま、情けないわ…





そこからあなたの下の名前には会わなかった

顔を見ると、思い出す

昔の記憶を

だから、仕事を優先した

逃げてる、そう言われてもしょうがない

けど…





保科宗四郎
保科宗四郎
…だめなんだ、俺が行ったって…
亜白ミナ
亜白ミナ
保科
保科宗四郎
保科宗四郎
亜白ミナ
亜白ミナ
病院、行かないのか
保科宗四郎
保科宗四郎
…はい、仕事あるので
亜白ミナ
亜白ミナ
はぁ…会いたいと思わないのか
保科宗四郎
保科宗四郎
…思いますよ
亜白ミナ
亜白ミナ
なら…
保科宗四郎
保科宗四郎
…いいんです、ほっといてください!
亜白ミナ
亜白ミナ
あ、待て保科!!


わかってた

あなたの下の名前をあんなにしたやつ

憎くて、嫌で、嫌いで

でもそれは…怪獣でも、他のやつでもなかった

一番許せなかったのは、俺やった

あなたの下の名前があぁなる前も、今も

何もできない、逃げてるだけの自分が

一番嫌いやった

日比野カフカ
日比野カフカ
保科副隊長!
保科宗四郎
保科宗四郎
…カフカ
日比野カフカ
日比野カフカ
お嫁さんのとこ行かないんですか
保科宗四郎
保科宗四郎
…だから…
日比野カフカ
日比野カフカ
副隊長は!わかってないですよ…
保科宗四郎
保科宗四郎
は?
日比野カフカ
日比野カフカ
前にあなたの下の名前さんが言ってました




(なまえ)
あなた
「私ね、宗くんのこと本当に愛してるの」
(なまえ)
あなた
「…前にね、宗くんが愛してるって言ってくれたこと、嬉しかったの」
(なまえ)
あなた
「…だから、私がどんな姿になっても」



日比野カフカ
日比野カフカ
「隣に居てほしい」って、そう言ってました
保科宗四郎
保科宗四郎
っ…


なんや、それ…

なんで…

日比野カフカ
日比野カフカ
あなたの下の名前さん、記憶はなくとも
日比野カフカ
日比野カフカ
副隊長のこと愛してると思うし、離れたら寂しいと思うんです
日比野カフカ
日比野カフカ
だから…早く行ってあげてください




保科宗四郎
保科宗四郎
…ありがとな、カフカ
保科宗四郎
保科宗四郎
行ってくるわ



亜白隊長だけじゃなく

…後輩にまで背中押されて

ほんと、バカやな…

早く、1秒でも…早く








   ガラッ…





(なまえ)
あなた
…あ、保科さんっ
保科宗四郎
保科宗四郎
っ…







「記憶がなくても、あなたの下の名前さんは副隊長のことを愛してると思うし、離れたら寂しいと思います」







カフカの言葉が頭をよぎって

そうやな、そうや

例え記憶がなくても

あなたの下の名前はあなたの下の名前や







   ぎゅうっ…




(なまえ)
あなた
っえ、あ…保科さん…?
保科宗四郎
保科宗四郎
っ…愛してる、

(なまえ)
あなた
っ…





記憶がなくたって

思い出すまで待ってるから

記憶が戻らなくても

俺はあなたの下の名前を






















ずっと愛してるから















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