看護師「今日で退院となります、お大事に😊」
看護師に見送られ
保科さんと私は一緒に歩く
「愛してる」
昨晩保科さんが言ったそのたった一言
…愛してる、か…
記憶はないはずなのに
なぜか嬉しくて
涙が出そうだった
…おかしいな、私は…
グラッ…
めまい…?
視界が、ぐらぐらして
立てないっ…
ギュッ…
転ぶ寸前で保科さんが支えてくれた
…痛い、なんで…?
もう、医者が大丈夫だって…
…大丈夫、大丈夫
保科さんが…居る、
ぎゅうっ…
あ…この感覚知ってる
優しくて安心する
そこからお互い無言のまま歩いた
しばらくすると私が住んでいたらしき所に着いた
記憶がないから、よく思い出せないけど
なんとなく覚えてる気がする
ここで一緒に生活してたんだよね…
私と保科さん、どういう出会いをしたんだろう
…結婚するまでの仲だし、仲良しだったのかな…
そう言う保科さんの目は私のことを真っ直ぐ見ていて
「愛おしい」そう言っているような気がして
保科さんの真っ直ぐな愛情が
暖かくて
前の私のことは何一つ覚えていないけど
恋をしていた以前の私はこんな気持ちになっていたのかな
だとしたら、凄く幸せだったんだな…


















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。