今日はいつもより早く家を出て、教室の自分の机にうつぶせになる。
昨日は葛葉くんに告白された後、どうやって帰ったか記憶が無い。
葛葉にバス停まで送ってもらったことは記憶にあるけど、ただの妄想とか?
振られたけど人生初の告白を振られたって思い出にしたくなくて、
私の脳みそが勝手に作り上げてしまった妄想。
という事にしてもいいだろうか。
1人の教室で悶々と考えていると扉が開き教室に入ってきたのは葛葉くんだった。
葛葉くんは私に駆け寄ってきて、
わざわざ私の隣の席の椅子を引っ張ってきて私の隣に置き座った。
夢にさせてください!!!!!
という私の心の叫びはもちろん届かずに、葛葉くんの質問に頷く。
すると、葛葉くんは目を見開いてから嬉しそうに目を細めて頬を赤く染めた。
こんな反応絶対私に惚れてるやつじゃん。
今更、『ごめん、昨日の嘘コクなんだ』とか言えないんですけど。
葛葉くんがチャラ男だったら良かったのにと最低なことを考える。
椅子の向きを完全に私の方に向けて真剣な顔出みてくる葛葉くん。
私はその真剣な顔に逸らせずに居るとか葛葉くんの手が私の頬に手を置いた。
顔が近づいてくるわけでもないが、
頬を覆っていた葛葉くんの手は親指だけ私の唇をなぞり、
葛葉くんはそれを辞めようとはしない。
そんなもう幸せオーラバシバシに出された私は、
罪悪感に飲まれ本当のことを言おうと思い口を開くと
ガラッと扉が開き人が入ってきた。
その音で、
お互いに離れ葛葉くんは椅子を戻して自分の机に戻り
私はイヤホンを付け本を読むふりをし始める。
少し照れたのは一生誰にも言わない