翌朝、目が覚めたあなたは窓から射し込む陽を浴びながら大きく伸びをする。
隣に目を向けると、寝ていると思っていたぷりっつは死んだ目をして天井を見つめていた。
あなたは部屋を出て、他の宿泊客を起こさないよう気を付けながら玄関先へ向かう。
あまり得意な方では無いので、色んな人の前で披露するのは緊張するなと思っていると、用意を終えたぷりっつが部屋を出てきた。
宿を出て歩いていると、村の中心部で盛り上がっている人々が見えた。
あなたはぷりっつの話を聞かず、会場の方へ走り出した。
あなたはそのまま参加者の列に並んだ。
観客はそれなりに多く、壇上では舞や歌の他に狂言をする者や面白可笑しく一発芸をする者もいて、かなり盛り上がっている。
特に何も考えずに参加してしまった為、あなたは披露出来るような芸が何も無い事に今更気付く。
どうしようかと悩んでいると、とうとう順番が回ってきた。
いざ壇上に上がると沢山の観客が目に入り、あなたは極度の緊張により自分でも何を喋っているか分からなくなってしまっている。
客席がしーんと静まり返った。
司会者の心遣いが寧ろあなたの心に刺さる。
意味の分からない駄洒落を披露してしまった事を早くも後悔しつつ、気持ちを切り替えて本題に入った。
正直な所正しい呼び出し方なんてものは分からないが、気持ちを込めて念じてみる。
目を瞑り父に願う。
そのまま十秒、二十秒と時間が流れる。
するとその時。
今回もどうせ駄目だろうと誰もが思っていた為、観客達は皆困惑する。
雨乞い行事を無事に終え帰っていると、村の人に次々と声を掛けられる。
少しばかり恥をかいたが、目的は無事果たす事が出来た。
堪えようとはしているものの、先程から肩がぷるぷると震えている。
あなたは照れているのがばれないようにぷりっつを置いて小走りで先を進む。
追い付いたぷりっつはそのままあなたの手を引いて歩き始めた。
その言葉に照れて大人しくなったあなた以上にぷりっつの耳が赤くなっている事は、彼の名誉の為に内緒にしておいた方が良いだろう。
続く













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!