慎 side
あなたが俺の膝の上で眠ってる。
可愛いぃぃぃぃ😆💘
ちょっと北人さんと壱馬さんが喧嘩っぽくなってきたけど、無視無視。
俺の膝の上には天使がいるんだから、寝顔を存分に見ないと。
あなたが寝返りをうった衝動で、あなたのズボンのポケットから白い封筒が少し顔を出していた。
俺たちは、あなたのズボンのポケットから白い封筒を取り出して、中の手紙を読んだ。
泣きそうになりながら、寝ているあなたに話しかける北人さん…
俺も泣きそうです。
壱馬さんが言うには、今日の朝あなたの部屋に行った時に同じような封筒を見たらしいです。
じゃあ、あなたは前にも手紙をもらってたの?
5分くらいして、北人さんが戻ってきた。
手には、白い封筒を握りしめている。
そう言って、俺らに手紙を差し出す北人さん。
…頬が濡れてますよ。
なんで、すぐ俺たちに言わなかったの?
すると、急にあなたがなにかを言い始めた。
苦しそうに叫び、魘されながら、あなたはまた静かになった。
いきなり、あなたが起き上がった。
あなたは過呼吸を起こしていた。
あなたは、テーブルの上に乗っている、2枚の白い封筒を指さして言った。
…これは誰にいつもらったの。
これは、言わない方がいいと何故か今の俺は思った。
あなたは、その時のことを俺らに話してくれた。
…きつかったよね。
…無理して笑ってるの、バレバレだよ。
あなたが無理してそんな風に言ってるとはとても思えなかった。
本当に、どこまでも仲間想いな人だな。
その日は他愛もない話をして、時間を過ごした。
この日常が手紙の犯人によって壊されるとも知らずに。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。