すちside
らん様に使用人の方々がいるキッチンへ連れていってもらうと女性がこっちに来た
らん様が部屋を出ていく
仕事を教えてもらおうと話しかけた時
さっきとは全然違う話し方
俺のことを汚いと言うこの人に怖いと思うことしかできない
仕事のやり方も教えてくれずにただ俺のやり方に文句をつけてくる
なのに
他の人が来ると急いで俺のやっていた仕事を自分がやっていたかのようにしてくる
助けてって言えなかった
楽しいはずのご飯の時間も話す時間も本当はどう思われているのか考えちゃって楽しくなかった
寝る時間も今は不安で、明日が来て欲しくなくて眠れない
最初の方はただ仕事をさせられるだけだった
でも、だんだんと殴られたり、水をかけられたりするようになった
水で濡れた体で床を掃除している自分の腕を見ても怪我はない
服で隠れるところにしか傷をつけないから誰も気づいてくれない
どうしていつも幸せだと思ったら、なくなってしまうんだろう
奴隷だからか…
しょうがないよね
本来はそういうストレスを発散したりするための道具
あんないい生活を俺がしちゃいけなかったんだ
いつもここには来ないはずの暇72様がいる
でも、今日は雨だから濡れている理由なんていくらでも思いつく
暇72side
走っていくすちが見えなくなる
なぁすち、今日は
服、外に出してねぇよ
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!