第3話

ご用命
178
2026/08/04 14:01 更新


壮絶。その一言がピタリとハマるように。

城の中が荒れていた。一体いつからこんな状況なのかはわからない。食器もまるで手入れがされているように見えないし、城の中で賑わう声も聞こえてこない。



(なまえ)
あなた
怒ってるよ。私は。



ut
申し訳ないです。
ut
不甲斐ないです。
ut
反省してます。



そういう割には目がキラキラと輝いていた。嘘つきは嫌い。裏切るしいなくなるし、そのくせ私に依存性だけを残す。


(なまえ)
あなた
どれだけ殺したの?


図星、というような顔をして。人間みたいに顔が青ざめていく鬱が面白い。窓がガタガタと揺れる音がした。建付けも悪くなっている。一体いつからこんな有様なのか。怖くて問う勇気もない。


tn
全部アンタのためやから。

tn
そんな責めんといてよ。



これ以上責める気も起きなかった。ただ息苦しい。1000年ぶりのこの世は、ずいぶん汚れすぎていた。


(なまえ)
あなた
メイドは?


sho
解雇した。


(なまえ)
あなた
執事は?



zm
やめさせた!





(なまえ)
あなた
軍隊は?


syp
解体。



(なまえ)
あなた
呆れた






(なまえ)
あなた
千年前と同じ状態に戻して。





tn
今すぐには厳しいんじゃ…


(なまえ)
あなた
主からの1000年ぶりの命令も聞けないの?
(なまえ)
あなた
ずいぶん偉くなったねェ。





tn
今すぐ取り掛かれ。



ないはずの心臓がドクドクと動き出す気がした。みんなが息を呑む。城に活気がもどっていくのは心地よかった。そこに多少のスパイが紛れていても、私はなにも気にしない。

それはきっと皆がやっつけてくれるから。私はみんなを信じているから。きっと、そうだから。



黄緑色のネックレスが目から離れない。きっと私はあれに何度も陥れられて、いつか大事な何かを失うのだろう。それがなんであれ、私はきっと悲しくなって。それで、もし、気持ちを抑えられなくなったら?
あぁ、こんなことを考えるなんてらしくない。


そうなったら、あの子に殺してもらおう。

そう決めてるんだ。あの日から。

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