あの日、世界で1番幸せな結婚式を挙げて…
何度も月日は過ぎていった…
『実は…、こういう仕事のお話が来てて…』
とある情報番組内で、不妊についての特集が組まれていて…
俺は、コメンテーターとしてゲストに呼ばれていた…
【話して、いいよ?】
『え?』
【私の事…】
『でも!』
【大丈夫!あなたが1番近くで見てきてるから…
私の事……
だから、同じ境遇にいる方たちのために…
今、亮平の視点から見たものを共有するべきなんじゃないかなぁ?って思うけど?】
『あなたは、それでいいの?』
【もちろん!
悪いことはしてないんだし…
隠す必要ある?
それとも……亮平は悪いことだって思ってるの?】
『そんなことない!!
悪いことなんて思ってない!!』
【だったら、悩む必要ないよね?】
迷いもなく、俺の目を真っ直ぐ見て…
安心させるように微笑むあなた…
『わかった…!ありがとぉ…』
当たり前に広げた、俺の腕にすっぽり収まりに来る彼女…
愛は、惜しみなく…
包み隠さず伝え続ける…
そう約束したあの日があるから…
しっかり彼女に背中を押され…
その、情報番組の生放送に出演している…
MC①「──しかし、アレだよね?
授かりたいのに、なかなか授かれない状況って言うのは
結構、苦しいものもありますよね?」
MC②「最近になってきて…
あえて夫婦水入らずで、最後まで添い遂げていく方々もいらっしゃるということで…」
MC①「それぞれの生き方があっても、もちろんいいと思うんですが…
やはり、未来に不安を抱える若者が多いことが原因なんでしょうかね?」
専門家「それもあるとは思いますけどね?
あとは、それに伴っての治療費ですね…
やはり、まだどうしても高額になってしまうのが事実ですから…」
MC①「そこは大きいでしょうね…」
専門家「まぁ、その辺は…
これから少しずつ…負担が減っていくように
色んな制度を取り入れようと…
私達も、一生懸命訴えていってますので!」
MC①「なるほどですね…
いやぁ、考えさせられますね…
ところで、阿部くんは、結婚してどれくらい経つのかな?」
『そうですね、そろそろ3年目になりますね?』
MC「そっかぁ、もうそんなになるんだね?」
『有難いことにですね!』
MC「3年目なら、まだ2人で過ごしてる方が楽しいのかなぁ?」
『まぁ…毎日楽しく過ごせてはいますけど…//(笑)
その件に関してなんですが…』
MC①「はいはいはい!」
『今からお話することは、一応…
妻から許可を得た上でお話させていただくんですが…』
MC①「はいはい!」
『実は……、僕達夫婦も…
なかなか授かることが出来なくて…
と言うのも…妻も、遺伝的なもので…
上手く、子宮で赤ちゃんを育てることが出来ない体質で…
何度も、苦しんでる姿をすぐそばで見てきました…
初めのうちは、彼女自身が、自分を責めることが多く…
その姿を見てることしか出来ないのも悔しくて…
歯がゆい思いをしてきてるんですね…
もちろん、僕以上に妻が悔しい思いをしていたと思います。
だけど、誰も悪くないんです…
最初の方に、未来に不安を抱えてるせいで
子供を育てることに積極的になれないって話をして…
もちろんそれでも立派な理由で原因ではあると思います…
ただ、意外と公になってないけど…
遺伝的要因だったり、過ごしてる環境だったり…
日常が、実は大きく関わってきてると思うんです…
気持ちの面、金銭面はもちろん!
他にも原因は沢山あるんです…
男の自分が、出来ることはほんとに限られてる…
代わりになってあげれることは出来ないので…
どれだけ、女性にかかる負担を
自分が軽くすることが出来るか…、
ストレスを軽減してあげれるかも大切になります…。
なので…、男性は、奥様にどれだけ寄り添ってあげれるか…
少しずつ、そこに視点を置いて
前向きに進んで行ってみて欲しいと思います。
お互いに、無理をするのは良くないかもしれませんが…
女性は、無理したくなくても…
心だけでなく、体にも無理や負荷がかかるんですから…
痛み分けって言い方は違うかもしれないけど…
助けになれたら…未来は変わっていくと思ってます。』
MC①②「へぇー!!!」
MC②「ちゃんと理解してくれてるんですね…
ちょっとウルって…//(笑)」
MC①「阿部くん…、君は、僕達を泣かしに来てる!?(笑)」
『いやいやいや!!//
そんなことないです!!//(笑)
でも…同じ立場にいる僕の意見としては
ほんと、こんな感じで…』
MC②「なんか、先生が大きく頷いてらっしゃる!(笑)」
専門家「全くその通り!(笑)
私より、先生みたいですね…!(笑)」
『いやいやいや!!///
そんなことないですって!!///
やめてくださいよぉ…///(笑)』
MC①「でもほんと…
なかなか公では話しにくいことだろうに…
身近な意見聞けて良かったよ…
話してくれて、ありがとうねほんと!」
『いぇいぇ!!
こちらこそ、ありがとうございました…!』
✨👏✨👏✨👏✨👏✨👏✨
MC①「それでは、また来週お会いいたしましょう…」
生放送が終わった控え室…
ガタンッ…
『ふぅ………///緊張した……』
慣れない緊張感と…
色んな思いが重なって…
俺は、膝から崩れ落ちた…












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。