第106話

Happiness
801
2023/11/30 17:16 更新
あの日、世界で1番幸せな結婚式を挙げて…


何度も月日は過ぎていった…


『実は…、こういう仕事のお話が来てて…』


とある情報番組内で、不妊についての特集が組まれていて…


俺は、コメンテーターとしてゲストに呼ばれていた…


【話して、いいよ?】


『え?』


【私の事…】


『でも!』


【大丈夫!あなたが1番近くで見てきてるから…
私の事……
だから、同じ境遇にいる方たちのために…
今、亮平の視点から見たものを共有するべきなんじゃないかなぁ?って思うけど?】


『あなたは、それでいいの?』


【もちろん!
悪いことはしてないんだし…
隠す必要ある?
それとも……亮平は悪いことだって思ってるの?】


『そんなことない!!
悪いことなんて思ってない!!』


【だったら、悩む必要ないよね?】


迷いもなく、俺の目を真っ直ぐ見て…


安心させるように微笑むあなた…


『わかった…!ありがとぉ…』


当たり前に広げた、俺の腕にすっぽり収まりに来る彼女…
愛は、惜しみなく…
包み隠さず伝え続ける…


そう約束したあの日があるから…
しっかり彼女に背中を押され…


その、情報番組の生放送に出演している…


MC①「──しかし、アレだよね?
授かりたいのに、なかなか授かれない状況って言うのは
結構、苦しいものもありますよね?」


MC②「最近になってきて…
あえて夫婦水入らずで、最後まで添い遂げていく方々もいらっしゃるということで…」


MC①「それぞれの生き方があっても、もちろんいいと思うんですが…
やはり、未来に不安を抱える若者が多いことが原因なんでしょうかね?」


専門家「それもあるとは思いますけどね?
あとは、それに伴っての治療費ですね…
やはり、まだどうしても高額になってしまうのが事実ですから…」


MC①「そこは大きいでしょうね…」


専門家「まぁ、その辺は…
これから少しずつ…負担が減っていくように
色んな制度を取り入れようと…
私達も、一生懸命訴えていってますので!」


MC①「なるほどですね…
いやぁ、考えさせられますね…
ところで、阿部くんは、結婚してどれくらい経つのかな?」


『そうですね、そろそろ3年目になりますね?』


MC「そっかぁ、もうそんなになるんだね?」


『有難いことにですね!』


MC「3年目なら、まだ2人で過ごしてる方が楽しいのかなぁ?」


『まぁ…毎日楽しく過ごせてはいますけど…//(笑)
その件に関してなんですが…』


MC①「はいはいはい!」


『今からお話することは、一応…
妻から許可を得た上でお話させていただくんですが…』


MC①「はいはい!」
『実は……、僕達夫婦も…
なかなか授かることが出来なくて…
と言うのも…妻も、遺伝的なもので…
上手く、子宮で赤ちゃんを育てることが出来ない体質で…
何度も、苦しんでる姿をすぐそばで見てきました…


初めのうちは、彼女自身が、自分を責めることが多く…
その姿を見てることしか出来ないのも悔しくて…
歯がゆい思いをしてきてるんですね…
もちろん、僕以上に妻が悔しい思いをしていたと思います。


だけど、誰も悪くないんです…
最初の方に、未来に不安を抱えてるせいで
子供を育てることに積極的になれないって話をして…
もちろんそれでも立派な理由で原因ではあると思います…


ただ、意外と公になってないけど…
遺伝的要因だったり、過ごしてる環境だったり…
日常が、実は大きく関わってきてると思うんです…
気持ちの面、金銭面はもちろん!
他にも原因は沢山あるんです…


男の自分が、出来ることはほんとに限られてる…
代わりになってあげれることは出来ないので…
どれだけ、女性にかかる負担を
自分が軽くすることが出来るか…、
ストレスを軽減してあげれるかも大切になります…。


なので…、男性は、奥様にどれだけ寄り添ってあげれるか…
少しずつ、そこに視点を置いて
前向きに進んで行ってみて欲しいと思います。


お互いに、無理をするのは良くないかもしれませんが…
女性は、無理したくなくても…
心だけでなく、体にも無理や負荷がかかるんですから…


痛み分けって言い方は違うかもしれないけど…
助けになれたら…未来は変わっていくと思ってます。』


MC①②「へぇー!!!」


MC②「ちゃんと理解してくれてるんですね…
ちょっとウルって…//(笑)」


MC①「阿部くん…、君は、僕達を泣かしに来てる!?(笑)」


『いやいやいや!!//
そんなことないです!!//(笑)
でも…同じ立場にいる僕の意見としては
ほんと、こんな感じで…』


MC②「なんか、先生が大きく頷いてらっしゃる!(笑)」


専門家「全くその通り!(笑)
私より、先生みたいですね…!(笑)」


『いやいやいや!!///
そんなことないですって!!///
やめてくださいよぉ…///(笑)』


MC①「でもほんと…
なかなか公では話しにくいことだろうに…
身近な意見聞けて良かったよ…
話してくれて、ありがとうねほんと!」


『いぇいぇ!!
こちらこそ、ありがとうございました…!』



✨👏✨👏✨👏✨👏✨👏✨



MC①「それでは、また来週お会いいたしましょう…」

生放送が終わった控え室…



ガタンッ…


『ふぅ………///緊張した……』


慣れない緊張感と…
色んな思いが重なって…


俺は、膝から崩れ落ちた…

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