〜 ジェヒョク🦁side 〜
廊下を駆け出すイオリの腕を掴んで止めると
イオリは止めてもらったのが嬉しかったかのように
僕に笑顔を見せる
男女の友情って素敵ね、とかほざいてるイオリは
ふと真顔になって、僕との距離を詰めた。
ひく、と喉が震えて
聞き返すのが遅れた僕を
イオリはニッと笑って見つめて
ずっとからかいたかったかのように、
口元に手を当てて笑いながら言う。
何を言われようが言い返す。
ここで止まったら僕らの負けだ。
“ ずっと殺す下準備であなた達を救ってるのに
それを守られてると勘違いしてる。騙されてる。”
イオリはそう言って勝ち誇った様な顔を向ける。
僕からしたら理解ができない。
何回も何回もみんなが助けられたのに
それが全部、僕らを殺すための準備だとは
到底思えない。
きっぱり言い切ると
イオリは、おかしくてたまらないと
腹を抱えて笑いだした。
もう我慢できない。
こいつと話す義理はない。
僕はイライラを沈めるために
早歩きでイオリから離れた。
あなたの下の名前の元に戻ろうと
ただただ振り返らずに歩いていった。
後ろで何か叫んでいる女を気にする余裕は
残念ながら僕にはなく
頭のなかはあなたの下の名前への心配しか無かった。















編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。