第29話

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2019/08/11 10:02
店長
はい、お疲れさん!
カウンターに座る私達の前に出てきたのは


3つずつ置かれたおにぎり。
中務裕太
店長のおにぎりめっちゃ好きっす。
ありがとうございます。
店長
どんどん食べて ~ 。
まだあるからな、裕太。
中務裕太
ふぁい。
口いっぱいにして  はい  そう言いたかったんだろうな。


言えなくて


ふぁい


になってる裕太さん。


ん ~ 、かわいい…


さっ、私も食べよう。


3つ並ぶおにぎりの左から食べていく。
店長
あ、あなたちゃんのにわさび入れた。
あなた

ふぇっ、、あ、

口の中で広がる辛味。
あなた

やぶぁっ…ちょっ、店長、水!!

店長
そんな!?
あなた

わさぁぶぃとがあむりぃ…
(わさびとか無理)

店長
そりゃ、困った。
トン、と出てきた水。
ごくごくと染み渡る冷たい水。


辛味で染まった口の中を潤してくれる。
あなた

ふぁ…

店長
ごめんごめんっ、大丈夫だった?
にやにやしながらいう店長。


悪気でしかないでしょ!


その笑み!
あなた

…死にそうでした。

店長
…また、したくなる。
あなた

もう!やめてください!

店長
分かってるよ ~ 。
と、お皿を洗い出した。
ところで裕太さんは…と
え?
あなた

あの、裕太さん?

中務裕太
ん?
あなた

何撮ってるんですか。

中務裕太
あなた

そ、れは、見たらわかるんですけど…
なんで撮ってるんですか。

中務裕太
…おもろいなって。
あなた

嫌がらせですよ。

中務裕太
ごめんごめん。
動画を撮るのをやめた裕太さん。


黙々とおにぎりにかぶりつく。


可愛い。


これこそ、私も撮りたい…


いいよね、撮っても…
こっそ ~ り、携帯を出して裕太さんにむける。


そしたら、過去最高な幸せそうな笑みを出してくれて


今だっ!


勢いよくシャッターを押した。
すっごいいいの撮れた…と思う。


あの笑顔反則だよ ~ …
中務裕太
何撮ってるん。
あなた

裕太さんです。

中務裕太
それは分かってんねん、なんで?
あなた

私と同じこと聞いてますよ?

中務裕太
…たまたまや。
あなた

ふふっ…え、

フォルダを見返すと裕太さんと思われる感じは


押さなくても分かるんだけど


いざ、押してみると
あなた

ブレてる…!

顔がハッキリとぶれててこれじゃ眺めるにもブレが邪魔で


話になんない!
あなた

悲しい…

机に携帯を置いて肘をついてた。
隣から覗き込む裕太さんの顔が近くて


つい、腰を後ろに引いた。
中務裕太
…ええ写真やん。なんか不満なん?
あなた

…いい写真なんですけどね、ブレてます。

中務裕太
そんな高画質求められてもなぁ。
俺の顔が高画質やねん。
カメラついていけへんのじゃない?
…ちょっと裕太さん?


と、思うところはあったけど実際そうだし…


何も言わない。
あなた

高画質が欲しいんです!

中務裕太
…しゃあないな。
そんなに俺の写真欲しいん?
あなた

…はい。

裕太さんが近くにいてくれるみたいで


勉強も頑張れる気がするから。
中務裕太
はい、なら
私の携帯を持って
中務裕太
撮るで?
顔がすぐ横にある距離でシャッターの音が鳴った。
そんなドキドキは一瞬で


すぐ離れてしまった裕太さん。


その後ろ姿を見るだけ…
けど…嬉しい。
中務裕太
ほれ、どうや?これ。
あなた

わっ…

そこには私の大好きな裕太さんの笑顔と映る私。


私の顔は置いておいて真っ先に見つめた裕太さん。


やば、、家宝並み。
あなた

ありがとうございます!

ん。


と、渡してくれた私の携帯。


何度も何度も見てたら
中務裕太
そんな見んといて。恥ずいやん。
照れだし、私の携帯の画面を手で隠した。
あなた

見ます見ます!

中務裕太
やめろって、笑
あなた

家宝です。

中務裕太
なんや、家宝って笑
こんなの家宝だよ。


この携帯絶対落とせないな。
中務裕太
その写真、俺に送ってよ。
あなた

え?

それって…


























中務裕太
交換しよ。連絡先。

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