今回は場地さんに弱ってもらいました…。
時間軸は血のハロウィン前。
症状は胃痛。看病はドラケンと三ツ谷。
一虎など、他のメンバーも出てきます。
過呼吸表現あり。
見る人によってはBL(ドラバジ、みつばじ、とらばじ)になるかも…?
side場地
一虎が、年少から出てきた。
"あの事件"から2年。久しぶりに、一虎に会える。
"あの事件"…一虎が、マイキーの兄、佐野真一郎を殺害した事件。あの日は俺も一虎も一緒に居た。一虎がシンイチロー君をチェーンカッターで殴る所も見た。シンイチロー君が、息を引き取る所も…。
当然、俺らは捕まった。だけど、俺はすぐに釈放され、反対に一虎は2年間少年院に入ることになった。
俺は一虎が年少に居る2年間、アイツに手紙を書き続けた。アイツからの返事は少なかったが、近状報告をしあっていた。一虎からの最後の手紙には、
「出所、できるようになった」と書かれていて、嬉しくなったことを、数日経った今でも覚えている。
…ただ、マイキーが、一虎を許さず俺を許した事が辛かった。
一虎から、メールが来た。場所と時間だけが書かれたメール。今日、この場に来てほしいという1文に、やっと会えるのかと、嬉しく思う。
"わかった"と返信し、携帯を閉じる。
今日は東卍の集会も無い。まぁ、あったとしてもこの前内輪もめして出禁になったから出られない。
千冬は家の手伝いがあるみたいで、今日は一緒に帰らない。ちょうど都合が良かった。
一度家に帰り、着替えてから指定された場所へと向かう。既に一虎は着いていたみたいだ。
そんな会話を、先にする
…あぁ、何も変わっていない。
殺し合いはやめろって言いたいのに、言えない…
"あの時、地獄まで一緒って、言ったよね?"
一虎の問いに、そう答えることしか出来ない
突然の勧誘に、頭が追いつかない
最近、少しずつだが聞くようになった、
『首の無い天使』と呼ばれている芭流覇羅
異名の通り、芭流覇羅には首領が居ない。
ポツリと、そう呟く
一虎が、ジリジリとこっちに寄ってくる
…怖い。一虎の様子が、あの頃と違って、怖い…
一虎の手が、俺に伸びてくる
手が、俺の首を掴んで、力を入れる
首を絞められて、息が苦しい…
ハイライトのない目が、俺を見つめる
だんだん、力が強くなる
俺は一虎に言い聞かせるようにそう言う
急に首元が解放され、喉に入ってきた空気に咳き込む
今にも泣き出してしまいそうな、一虎の顔…
息を整え、一虎をギュッと、抱きしめる
あの後、少しだけ談笑して、俺は家に帰った。
オフクロは仕事で居ない。
靴を脱いで、手を洗って、そのまま自分の部屋に行く
部屋の明かりは付けず、部屋の真ん中で座り込んだ
今日の出来事が、脳内に流れる
グダグダと、色んなことを考えてしまう。もし、とか無いのに。過去のことは取り返せないのに。
東卍をやめて、芭流覇羅に入るの一択か…
…これは、俺1人だけの秘密だ。マイキーにも…千冬にも、他の東卍の奴らにも、一虎にも、バレてはいけない秘密。
…なぜか辛くなって、涙が流れた
その日から俺は、食べることも、眠ることも出来なくなった
数日後
今日は集会で、参番隊隊長の任命式をするらしい。
千冬からメールが来ていた。
2、3日前の夜、少し散歩しようと外を歩いていたら、マイキーの声が聞こえた。マイキー以外に、もう1人くらい居るらしい。不思議に思い聴いていたら、
マイキーと別の男…稀咲が、"パーを出所させる代わりに、参番隊隊長に任命してくれ"と言った。
パーは8・3抗争前、愛美愛主の長内を刺して、捕まった。そこで俺は確信した。
稀咲 が何かを企んでいると言うことを
自分なりに考えをまとめ、今日の集会に乗り込むことを決意した。
夜
もう少しで集会が始まるという時間
俺は、集会中に乗り込むことにした
久しぶりに、東卍の特服に腕を通す
今日が終われば、もうこの特服を着ることは無くなるのか…
そう呟き、部屋の扉の方を振り返ろうとして、動きが止まった。
目の前が少しグラグラする。…多分、最近寝れていないのと、食事をとれていないのが原因なんだろう。
目を瞑って、目眩に耐える
幸い、目眩はすぐに治まってくれた。
それからは、家を出て、集会場所の武蔵神社に行って、集会に乗り込んで、テキトーに1人殴って、東卍を抜けて芭流覇羅に行くことを宣言して、神社を後にした。
家に帰り、一虎に『東卍抜けた』とメールをする。
送信し、携帯を閉じようと思った時、「ピロン♪︎」と着信音がなった。確認すると、一虎からで、
『明日、学校終わったら、服着替えて○○まで来て。芭流覇羅のアジトに案内してあげる。
あ、手紙に書いてたさ、千冬?ってやつも連れてきて。』
と返信が来ていた。
パタッと携帯を閉じる。
……なぜか、胸の下辺りが"ツキン"と痛んだ
翌日 午後
俺は一虎に言われた通り、千冬を連れて指定された場所へと向かった。一虎は既に着いていて、すぐに芭流覇羅のアジトへ連れていってくれた。
そう言って着いたのが、ボロボロのゲーセン。
扉の近くには、"首のない天使"の絵。
千冬がそう呟く。
一虎に促され、ゲーセンの中に足を踏み入れる。
中には白いパーカーみたいな特服を着た、高校生くらいの奴らが、250~300くらい居る。
俺らが今立っている場所から数段上がった所に座っている男に、一虎が声をかける。
そこからは、
半間クンの言う通りに、千冬を
殴って、
殴って、
殴って、
殴って、
殴って、
東卍を抜けたことをしっかり教えて、
一虎がタケミチを連れてきて、
ショーニンカンモンをして
昔話を、タケミチに聞かせて、
芭流覇羅の特服を貰って、着て、
半間クンがマイキーに伝言を頼んで、
終わった
最近ずっと、左胸の下…胃の辺り?が痛む。
原因は…分からない。
それに加えて、睡眠時間も足りていない。
おふくろには、迷惑かけたくない。
10月30日
東卍と芭流覇羅の抗争まで、あと1日。
今日は、千冬と会う約束がある。
芭流覇羅の特服に腕を通して、家を出た。
とある歩道橋の上
柵にもたれ、千冬を待つ
千冬が来た。タケミチを後ろに連れて。
目元に大きな絆創膏を貼った千冬に、そう返した。
まだ傷だらけの顔を見ると、「あぁ、俺のせいだ」と思ってしまって、また胃の辺りが痛んだ。
千冬と、タケミチと、話をした。
『東卍を守るために、芭流覇羅に入ったんすよね』
と千冬に聞かれ、タケミチには
『絶対、死なないでください』と言われた。
正直、千冬の言葉に何度も頼りたく、縋りたくなったし、
タケミチの言ってることはあまり分からなかったけど、マイキーが一虎に殺されそうになったら俺が庇う気でいたから、見透かされているような気がした。
……息が、しにくくなったような気がした。
千冬達と別れ、団地までの帰路を歩く。
途中で、一瞬ふらっとふらついたけど、何とか踏ん張って耐えた。
団地の、俺が住む棟の1階、階段前
そこに、ドラケンと三ツ谷が居た。
何故いるのかは、分からない。
ただ、2人で話していた。
…千冬を待って居るのか?
そう思った俺は来た道を引き返そうとしたけど遅く、2人に見つかってしまった。
ドラケンと三ツ谷が、そう言う
三ツ谷が投げかけてくる質問に、俺は下を向きながら答える。
"ズキッ"
最悪だ。なんで今痛みだすんだよ…!
…ぁ、ヤバい…クラクラする…
右半身が、少し痛い。多分、倒れたから。
痛みのせいで、呼吸が上手くできない。苦しい。
ドラケンの言葉に、コクリと小さく頷く。
なんだこれ。なんでこんなに痛いんだ。
"たすけて"
身体を起こされ、ドラケンに凭れかかる様に、胸元に顔を埋めてギュッと服を握りしめる。
ドラケンは、そんな俺の背中を、優しく撫でてくれた。
そう言われてすぐ、口元にふわっとタオルが当てられた。だけど、さっきより苦しくなって服を握る手に、また力が入る。
両手に、暖かい温度が伝わる。
少しカサついてて、骨ばった手。
三ツ谷が、手をマッサージしてくれている。
痛い、苦しい、辛い……
色んな感情が渦巻いて、瞳からポロポロと涙が溢れ落ちる。
そんな状態の俺の背中をドラケンが、頭を三ツ谷が、ゆっくりと、暖かい手で撫でてくれた。
少し経って、俺の荒かった呼吸は落ち着き、普段通りの呼吸ができるようになった。
だけど"また息ができなくなるんじゃないか"と思ってしまって、怖くて、ドラケンに凭れかかったまま。
ドラケンと三ツ谷が、安心したような表情を浮かべる。
三ツ谷の言葉に、反射的に謝る。
"相談してくれたら、俺らも相談に乗れるしさ、全部1人で抱え込まなくていいんだよ、場地"
撫でる手を頭に置きかえ、撫でながら言うドラケンの言葉に、また涙が溢れてきて、子供のように、俺は泣いた。
俺が泣いてる間、ドラケンは俺の頭をわしゃわしゃと撫で、三ツ谷は背中を優しくさすってくれた。
明日、全てを、終わらせよう
(俺が、2人を止める)
(2人が、和解できますように…)
はい!
また完成が遅くなった…
次回は、2つ目のリクエスト作品です!












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。