第16話

𝟷𝟻
24
2025/01/24 09:00 更新
伊吹蒼弥
伊吹蒼弥
浅霧雫
浅霧雫

浅霧が意見を出してしばらく、伊吹は黙ってプリントを見つめていた。

浅霧雫
浅霧雫
(なんだろうこの時間…私の意見に不満が
あるのかな…というか彼、こういうの面倒に思ってそう)

伊吹をよく知らない浅霧にとって、伊吹の印象は所謂
"一匹狼"である。

浅霧雫
浅霧雫
(ペアワークをくだらないと思ってそう…
人のことは言えないけど)

伊吹蒼弥
伊吹蒼弥
……い

浅霧雫
浅霧雫
(そもそも、どうしてペアワークなんて
あるのかな…自分1人で全てやる方が
効率良いのに)

伊吹蒼弥
伊吹蒼弥
お……

浅霧雫
浅霧雫
(自分より脳の低い人の意見なんて
聞いても…捨てる意見ばかり拾う時間
なんてもったいない)

ドンッ

伊吹蒼弥
伊吹蒼弥
おい。
浅霧雫
浅霧雫

そう悶々と考えていたところで、机を軽く叩かれて我に返った。

伊吹蒼弥
伊吹蒼弥
さっきから声かけてんだろうが。
耳ねぇの?
浅霧雫
浅霧雫

恐る恐る顔を上げると、不機嫌丸出しの伊吹がこちらを睨んでいた。

浅霧雫
浅霧雫
ごめ…なさい……考え事をしていました…
伊吹蒼弥
伊吹蒼弥
…チッ

慌てて謝ると、伊吹は舌打ちをして目を逸らした。

浅霧雫
浅霧雫
(…怖い)

浅霧は表情豊かではない。
そのため、今も傍から見れば無表情なのだが、心臓は
うるさいくらいにバクバクと鳴っている。

浅霧雫
浅霧雫
(全然聞こえてなかった…どれだけ声を
かけてくれてたんだろ…無視してた、って事だよね…感じ悪い事しちゃった)

伊吹に対する申し訳なさと恐怖が同時に押し寄せ、膝の上に置いていた手をギュッと握りしめる。

伊吹蒼弥
伊吹蒼弥
なあ、お前の意見だけど。
浅霧雫
浅霧雫
…はい。

ふとそう切り出され、文句を言われる、と浅霧は身構えた。

伊吹蒼弥
伊吹蒼弥
お前の──って意見、賛成。けど、それ
だと──が──になる。俺は──って意見あるけど、合わせるのどうだ。
浅霧雫
浅霧雫
…!

𝐧𝐞𝐱𝐭…🧸𓈒 𓏸

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