浅霧が意見を出してしばらく、伊吹は黙ってプリントを見つめていた。
伊吹をよく知らない浅霧にとって、伊吹の印象は所謂
"一匹狼"である。
ドンッ
そう悶々と考えていたところで、机を軽く叩かれて我に返った。
恐る恐る顔を上げると、不機嫌丸出しの伊吹がこちらを睨んでいた。
慌てて謝ると、伊吹は舌打ちをして目を逸らした。
浅霧は表情豊かではない。
そのため、今も傍から見れば無表情なのだが、心臓は
うるさいくらいにバクバクと鳴っている。
伊吹に対する申し訳なさと恐怖が同時に押し寄せ、膝の上に置いていた手をギュッと握りしめる。
ふとそう切り出され、文句を言われる、と浅霧は身構えた。
𝐧𝐞𝐱𝐭…🧸𓈒 𓏸













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!