こいつは俺の友達、猫光 金時。
年少の頃からずっと一緒で、
俺の事を1番良く分かってくれている。
でも。
義父さんのこととか、
虐待(っていうのか…?)のことは話していない。
なんでかというと、金時はとても心配性で、
少し悩みを話しただけで余計に心配してくるからだ。
本心を言うと、あまり気にしないで欲しい時が多い。
ただ、話を聞いてくれるだけで大きな支えだからだ。
金時は少し寂しそうな表情を見せながら
「いいよ」と言った。
金時の親は、夜遅くまで仕事をしていて
まったく金時の心配をしないらしく、
金時も親に会うのは日曜日くらいだ、と言っていた。
だから、平日には親が帰ってくるまで
家に入れないらしい。
本当に何をしているんだ俺の馬鹿。
俺は言い訳が思いつかなく、俯いた。
まずい………そうだ金時は勘が鋭い。
そして観察力が高いんだ。
こんなことなら、ここまで来なければよかった。
あの子達。
それは、いじめっ子のことだ。
いじめっ子達は俺のことが気に食わないのか、
学校へ行くなり殴る蹴る,暴言を吐いたり、
とにかく色んなことをしてくる。
金時は、その時に助けてくれた唯一の人だ。
金時は正義感が強く、いじめや暴言なども許さない。
クラスの学級委員でもある優秀な生徒だ。
そう。金時が味方をしてくれるようになってから、
いじめっ子達は何もしてこなくなった。
たまに睨んでくることはあるが。
お互い家に帰ろう、と言った瞬間。