朝イチで宿舎を飛び出して、逃げてきた。
今は誰とも話したくなかった。
朝メンバー何人かに話しかけられたけど、どうしても素っ気なく返してしまうだけだった。
もちろん、自己中過ぎたのは理解しているけど、でも正直言うと仕方ないことだとも思える。
そのままマネヒョンが運転する車に乗って、今日の収録現場へと向かった。
現場に向かう車の中で、マネヒョンと2人きりなのは初めてで、何故かいつもとは違う空気が流れてる気がするし、いつもより寂しかった。
マネヒョンにはほぼほぼ勘付かれていたから、全部を話した。
昨日の夜から朝のこと。
全部。
さっきまで静かだった空間に、マネヒョンの声が唐突に現れたかと思ったら。
そんな事を突然、いつもの優しく包み込むような声で言ってきた。
俺は何も言えずに、そのまま無言になってしまう。
そんなの、今だって納得いってない。
最後のキスだって、あれだけじゃ足りなかった。
もっとシュアのそばにいたかった。
もっとシュアを笑顔にしたかった。
もっとシュアは俺の隣にいてほしかった。
良いわけないじゃんっ、全くッ、。
…でも、1番に自分の行動を後悔している。
なんであんな行動をしてしまったんだろう。
なんて馬鹿な事をしていたんだろう。
遅すぎる後悔が数え切れないほど出てくるのが、物凄く辛い。
マネヒョンの口から出てくる言葉はどれも本当のことで、
どれも自分の心のようで、
ドンピシャで当てられたような感覚で、気持ち悪かった。
自分は後悔ばかりだ。
まだ好きだから、シュアのことが。
まだ愛してるから、シュアのことを。
そうだと思うよ、マネヒョン。
マネヒョンの言ってることが正しいと俺は思う。
ねぇ、マネヒョン。
さっきマネヒョンは俺に、「シュアの前に彼女くらいいたことあるだろ」って言ったよね。
俺がそんなに恋愛上手そうに見えてるなんて。
思いもしなかったよ。
あのねマネヒョン。
実はね。
生まれて初めて俺が愛したのは、
世界で一番愛してた、俺の初恋の人なんだよ。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。