そして迎えた冬休み――。
約束していた初詣の日。
神社へ向かう道は、人でいっぱいだった。
屋台の明かり。
甘い匂い。
響く笑い声。
あっきぃがマフラーに顔を埋めながら叫ぶ。
いつものやり取りに、あなたの下の名前はくすっと笑った。
境内へ入ると、大きな賽銭箱の前に長い列ができていた。
みんなが騒いでいる横で、あなたの下の名前は静かに空を見上げる。
冷たい夜空。
白い息。
去年の今頃は、こんなふうに笑って新年を迎えるなんて想像できなかった。
順番が来て、あなたの下の名前はそっと手を合わせる。
“もっと、自分を好きになれますように”
気づけば、そんな願いをしていた。
参拝を終えたあと。
という流れになり、みんなでおみくじ売り場へ向かう。
ガサガサと紙を開く音。
そんな中、あなたの下の名前もそっと自分のおみくじを開いた。
――『吉』
そこに書かれていた一文に、あなたの下の名前の目が止まる。
『支えてくれる人を大切にせよ』
思わず小さく笑ってしまう。
すると隣からぷりっつが覗き込んできた。
あなたの下の名前が笑うと、ぷりっつも安心したように笑った。
その時だった。
突然、人混みの後ろから誰かにぶつかられる。
よろけたあなたの下の名前の腕を、誰かが咄嗟に掴んだ。
低い声。
気づくと、ぷりっつがあなたの下の名前を支えていた。
距離が近くて、あなたの下の名前の心臓が跳ねる。
慌てて離れようとすると、後ろからニヤニヤした声が飛んできた。
ぷりっつが即座にツッコみ、みんなが笑い出す。
その空気につられて、結愛も声をあげて笑った。
夜空には、冬の星が綺麗に輝いていた。
あなたの下の名前はふと思う。
苦しかった日々も、泣いた夜もあった。
でも、それを乗り越えたからこそ出会えた景色がある。
そして今、自分はちゃんと笑えている。
それが少しだけ、誇らしかった。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!