第131話

129
30
2026/02/14 21:00 更新




.
『血鬼術 阿侶気摎アロケル
我妻善逸
眩っっっ
あなた
ーっ!







真っ先に飛び込んでいったクルトの攻撃を避け、クララさんの銃弾も軽々と躱した鬼は何かを呟いた。




その瞬間、眩い光に視界が覆われ、目がチカチカして何も見えなくなる。








.
違う
嘴平伊之助
あぁ?? 何がだよ
嘴平伊之助
『獣の呼吸 壱ノ牙ー
クルト・バルシュミーデ
馬鹿!
クルト・バルシュミーデ
見えねぇのにやったら味方に当たる!!
嘴平伊之助
俺は肌でどこにいるか……
嘴平伊之助
は?
我妻善逸
ソイツ、変だよ!!
あなた
え?
我妻善逸
敵意の音がしない!
嘴平伊之助
殺意が一切ねぇ!!
あなた
そんなわけないでしょ!?








目が見えるようになるまで無闇矢鱈に攻撃するわけにもいかず、刀を構えたまま耳を澄ます。





確かに、命を狙われている時のような圧が、どこからもかかってこない。





鬼が出した光だとすると、ソイツ自身は見えているはずなのに。
















ただ、さっきまでと同じように舞う音は聞こえなかった。










ルカ・エミレーゼ
アロケルってソロモンが封印した悪魔の一体だったよね
ルカ・エミレーゼ
立派な馬にまたがった、燃えるような目を持つ真っ赤なライオンの頭を持った兵士の姿をしてる
ルカ・エミレーゼ
ソイツの目には自分の死ぬ姿が映ってるからショックで目が見えなくなると言われてるね
.
……詳しいな
ルカ・エミレーゼ
まぁね〜








目を閉じて目が戻るまで耳でなんとかしようとしていると、ルカさんのいつも通りの声が聞こえた。





鬼の前なのに、宿敵の前なのに、いつも通り。











ルカ・エミレーゼ
人体の部位が破壊されてた人は破壊の悪魔アスモデウス?
ルカ・エミレーゼ
音が聞こえすぎて心を病んで死んだ奴は音楽の悪魔アムドゥスキアスかな
ルカ・エミレーゼ
君の血鬼術は『悪魔』だったんだね








穏やかだが断定口調だった。

目が、開くようになってきたがまだ世界が明るい。











ルカ・エミレーゼ
元々そうじゃないかっていう当たりはつけてたんだ
ルカ・エミレーゼ
だってあまりにも多岐に渡りすぎてる
ルカ・エミレーゼ
五感の強化に破壊に変身の付与?
ルカ・エミレーゼ
何か広義の血鬼術なんだと思った
.
目撃者は殺したつもりだったんだけどな
ルカ・エミレーゼ
俺の血鬼術は人じゃないからね







その時やっと、目が戻った。





ルカさんは最初の位置から動いておらず、笑顔を作ったままにこやかに会話している。




ソイツは舞うのをやめ、何もせずに突っ立っている。









  

善逸は鼻についた風船が割れ、刀を構えていた。







同じタイミングで目が戻ったらしい伊之助とクルトと、目が、合った。









あなた
『月の呼吸 弐ノ型 珠華ノ弄月』!!
我妻善逸
『雷の呼吸 壱ノ型 霹靂一閃』
嘴平伊之助
『獣の呼吸 肆ノ牙 切細裂き』!!
クルト・バルシュミーデ
『雪の呼吸 参ノ型 雪輝・雪椿』!








目が合ってからほぼ同時に鬼に向かって踏み込み、首に向かって斬りかかる。





それぞれが邪魔にならないように、それでも避けられても無駄にならないように逃げ道を塞ぐように。




それで次々に斬りかかり、絶え間なく攻撃をする。 










全て上手く避けられ、受け流されているが、少しずつクララさんの方へ向かうことができている。










.
陳腐
.
『血鬼術 叉橅苦サブナック
クルト・バルシュミーデ
『雪の呼吸 漆ノ型 六辺香・白魔』……!!
あなた
『月の呼吸 漆ノ型 厄鏡・月映え』








明らかに駄目そうな攻撃を技を出して相殺する。





斬られたその飛ばされた斬撃は地面に落ちると、湯気と焦げた匂いを発した。










ルカ・エミレーゼ
サブナックは治らない傷を作るとかだったから、溶かしてるのか
.
なぜ戦わぬ
ルカ・エミレーゼ
えー?
ルカ・エミレーゼ
俺戦えないからさ〜
.
ルカ・エミレーゼ
ほんとほんと
我妻善逸
『霹靂一閃』







全員が当たらずに避けた後、ルカさんが呑気に話して体勢を立て直す時間を作り、また攻撃を始める。






さっき言っていた「ちんぷ」がどういう意味なのかわからないが、とりあえず同じ手を使う。








あなた
『捌ノ型 月龍輪尾』
嘴平伊之助
ウギィィィ!!
嘴平伊之助
全部避けられんの腹立つ!!







まるで私たちの頭の中が読まれているかのような具合で躱される。




戦線は膠着状態だった。












プリ小説オーディオドラマ