この子、絶対にお金持ちだな。
こんなに綺麗で、こんなに人を心配できて、
.....こんなに、育ちが良さそうな子、
裕福な家庭じゃない訳がない。
ちょっと、対応が冷た過ぎたか.....?
けど、”金持ちの娘” が ”こんな所”に来る理由......
...やっぱり、バカにしたり、茶化しに来たとしか思えない。
私を心配したのも、きっと遊びか何かだろう。
だから、容赦なく突き放せる。
....本当は、私だってこんな事はしたくない。
けど、やらないと、...この世界では生きていけない。
恵まれた環境で育った子供は、
酷くされる事なんてほとんどないはず。
だから、少し言っただけでも、きっとすぐに他の所に行く。
何、コイツ...。
なんで何処も行かないんだ、?
こんなにボロボロで...汚い人、が、
こんなに冷たく突き放しているのに、?
......いつもの私なら、迷惑だと思うはずなのに、
何で興味が湧きそうになっているんだろう。
...それで裏切られたら、後悔するのは自分なのに。
分かるに決まってる。
きっと、最上層に住んでいるのだろう。
詳細まで言わないのは、私を気遣っているのか、
はたまた”どこの層か当ててみろ”という意図なのか......
まあ、コイツの場合は前者だろう。多分。
まあ、何を求めているのかは知らないけど。
セアが、私が手に持っていた日記を指差した。
どうもこうも、知るか。
今さっき拾った日記について
そこまで詳しい奴がどこに居るんだよ。
バサッ
何故かはよく分からないけど、
急にむしゃくしゃして日記を放り投げてしまった。
地面に強く叩き付けられた日記を、
セアは大事そうに手に取り、じっと眺めた。
少しだけ目を輝かせながら、セアは不思議そうに呟いた。
そして、近くにあった数ヶ月前に廃棄された
壊れたソファに深く座り、真剣そうな顔で
ゆっくりと日記を読み始めた。















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。