掠れた声で礼を言う。
実は昨日、探偵社から帰る途中で通り雨にあたってしまって風邪を引いてしまったのだ。
次の日(今日)になって、乱歩さんから催促の電話が来たけど……。
しんどくて寝てたら、いつの間にか乱歩さんが現れた。
いつになく真面目な顔で額に手を当てる。
そう言って笑ってはいるけど、
その瞳は珍しく静かで、じっと私を見つめてゐる。
胸の奥がキュっとする。
熱で赤くなった顔が、さらに赤くなった気がした。
少し眠った後、ふと目を開けると、乱歩さんがベットに腰掛けて私の髪を撫でていた。
その声が、なんだか優しくて。
つい、ちゃんと名前を呼んでしまった。
なんだか顔が赤い気がするけど、気が付かないフリをして話を続ける。
そういった後、乱歩さんの顔が曇った気がした。
あれ?声が低い。怒らしちゃったのかな?
なんだか熱を孕んでいる声。
驚いていると、そっとらんぽさんが私の手をにぎってくる。
────他の誰かに渡すなんてかんがえたら……もう。
頬が熱くなるのは、熱のせいか。それとも。
分からなかったけど、わたしは乱歩さんの手を握り返す。
乱歩さんがわたしの額にそっとキスをおとす。
どこか拗ねたようで、とても嬉しそうな声だった。











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。