第15話

僅かな優しさ
327
2019/08/06 01:29
フン〜フフン〜🎶
屋敷の中に鼻歌が響く。
黛リト
黛リト
………ユエったら、さすが僕の弟!優しいねぇー。まぁ、賢明で冷静な判断がまだ出来る子達だし、真実を多少話すのは正解だね。
リトは千里眼でユエ達の会話を見ていた。
黛リア
黛リア
………ただいま
黛リト
黛リト
リア〜♥️おかえり、お菓子いっぱい食べさせてもらったの?。口が汚れてるよ?。
リアは、無言で口を拭く
黛リア
黛リア
…取れた?
黛リト
黛リト
うん、取れたよ。無神の子達は、理解ある子ちゃんと居たでしょ?。
黛リア
黛リア
………うん、アズサは、私にお菓子くれた。優しい子だった。
黛ミレーヌ
黛ミレーヌ
無神ルキに、変な事はされ無かった?
黛リア
黛リア
………大丈夫、むしろ真実を話すならば、茶と菓子を出すって言ってきた。
黛ミレーヌ
黛ミレーヌ
へぇ、………。
黛リト
黛リト
なぁに?ミレーヌ、もしかして、ヤキモチ?。自分の可愛い妹取られた気分?、大丈夫だよ〜♥️。この子は僕の片割れ、何かあればすぐ察知するし。
リトはリアを後ろから抱き締めながら、そう言い放った。
黛ミレーヌ
黛ミレーヌ
そうですわね、まぁそれを言ってしまえば手出し無用ですわね。
ミレーヌが苦笑いしていると、使い魔がやってきた。(ミレーヌの使い魔)
バサバサバサバサ!
ヨナ   (フクちゃん)
ヨナ (フクちゃん)
ミレーヌ様!、ただいま戻りました!。
黛ミレーヌ
黛ミレーヌ
ヨナ!、久しぶりね。こっちへいらっしゃい。
黛リト
黛リト
あ!フクちゃん!おかえり〜。
ヨナ   (フクちゃん)
ヨナ (フクちゃん)
私はフクちゃんではありません!、何度も言っているではないですか!。リト様!。私の名はヨナです!
黛ミレーヌ
黛ミレーヌ
リトの話に付き合っていては、疲れるだけよ。ヨナ。
ヨナを自分の腕の上に乗せながらいった。
黛リア
黛リア
………リト、ミレーヌそう言えば、そっちはどうだったの?。
黛リト
黛リト
ああ、僕達はまだ何も話していないよ。名前は出てない。
ザック
ザック
………あヤツらは、まだ駄目だ。父上の力を借りてばかりではな。カイン達には勝てん。
タイガ
タイガ
そうそう、僕達がすぐそばに居たのに気配にすら気づかないんだよ?。あんな奴らがあのお嬢さんを守れるわけが無いよ。ね!リト様!。
リトは突然出てきたタイガとザックの頭を撫でた。
タイガを見つけたリアは素早く抱きしめた。
黛リア
黛リア
………モフモフ、可愛い。
タイガ
タイガ
ち、ちょっと!リア様、いつもいきなり来ないでくださいと言っているではないですか〜!ビックリします。
黛リト
黛リト
暫く戯れてていいよ〜♥️2人とも可愛いから。
タイガ
タイガ
な!、見ていないで助けてください!リト様ー!
黛ミレーヌ
黛ミレーヌ
はぁ、騒がしいことで。
ヨナ   (フクちゃん)
ヨナ (フクちゃん)
久しぶりね、タイガ、ザック。人間界はどう?慣れたの?。
ザック
ザック
俺はこの世界の空気はあまり好きではない。だが、主人のゆく所に我有り。例え地獄だろうとついて行くと決めた、我慢だ。これも修行のうち。
タイガ
タイガ
ザックはほんとに堅苦しいな〜、もっと肩の力抜きなよ。
ヨナ   (フクちゃん)
ヨナ (フクちゃん)
確かに、考え方を変えれば?。
黛リト
黛リト
僕はザックのそういうところ好きだよ〜♥️、純粋というか。見てて面白いし。
ザック
ザック
ほ、本当ですか?嬉しいです!。
黛リト
黛リト
うん、そういう所がね。
タイガ
タイガ
はぁ、分かってないね、ザック。
黛ミレーヌ
黛ミレーヌ
ヨナ、そろそろ私達は部屋に戻りましょ。
ヨナ   (フクちゃん)
ヨナ (フクちゃん)
あ、はい、では、リア様、リト様おやすみなさい。
黛リト
黛リト
はーい!またね!。
黛リア
黛リア
…モフモフ、したかった。
黛ミレーヌ
黛ミレーヌ
…おやすみ。
ミレーヌと入れ替わるようにユエが帰ってきた。
黛ユエ
黛ユエ
姉上、ただ今戻りました。
黛リト
黛リト
ユエ〜いい加減慣れなよ、此処も一応ボク達の家なんだから。
黛リア
黛リア
…堅苦しい。
黛ユエ
黛ユエ
人間界はまだどうも慣れなくて、ごめん。治すように努力するよ。
ルビームーン(ユエの使い魔)
ルビームーン(ユエの使い魔)
はぁ、我が主は本当に世話の焼けることで。もう慣れましたが。
黛ユエ
黛ユエ
ルビー、お前まで酷いな。
黛リア
黛リア
……ルビー、モフモフシタイ。抱っこしていい?
ルビームーン(ユエの使い魔)
ルビームーン(ユエの使い魔)
ええ、お好きなようにどうぞ、リア様。
リアがルビームーンをモフモフしているのを他所に、話の続きをし始めた。
黛リト
黛リト
それで?ユエ、お前から見た月浪君の家はどうだった?。
黛ユエ
黛ユエ
…逆巻の所よりはずっと理解ある者達だった、それから彼らが本気を出せば戦力になる。
黛リア
黛リア
…………
ルビームーン(ユエの使い魔)
ルビームーン(ユエの使い魔)
おお、そこです。……ん〜気持ちがいいです。リア様お上手で。
黛リト
黛リト
ふーん、そうか。月浪、無神、逆巻。そして僕達黛……いいや、ホワイトミールの力が合わされば何とかカインたちを仰け反ることも出来るだろうが、……逆巻のところが問題だ。
黛ユエ
黛ユエ
……あそこは協調性の欠けらも無い、本当にあの家にイブが居て大丈夫なのか心配です。
リトは大きなため息を漏らした
黛リト
黛リト
まぁ、しかたない。最悪あそこから奪えばいい。何かあってからでは遅いからね。………もしものことがあった時は、俺も手段は選ばないよ。
一瞬顔付きが変わった、それを見たユエやルビームーンは下を向いた。
黛リア
黛リア
…………………(リトはこんな意地悪いことを言いつつも1番のお気に入りは逆巻、…遠回しな優しさ。)
黛リト
黛リト
ふぁー、僕も寝ようかな。眠い。
黛ユエ
黛ユエ
俺も、部屋に戻ります。リア、お前も早く部屋に戻るんだぞ?。
黛リア
黛リア
うん、おやすみルビー。ユエ
各々自室に戻る。

リビングに1人の影が残る。
黛リト
黛リト
々……今夜も綺麗な月だ、そう思いませんか?父上、母上。
ロケットの中の古びた両親の写真に話しかけながら月を見上げた。
黛リト
黛リト
…逆巻兄弟、果たしてイブを守る騎士に相応しいか、これからいろんな試練を乗り越えていってもらうからね。僕の可愛い孫達、きっと切り抜けられると信じているよ。
そう呟き部屋に帰って行った。

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