あぁもう"何も感じない"
1度目の人生で味わった幸せも、もうほとんど思い出せない。
痛みも感じないままだ。
左手首には壱の文字がある
これが本当に最後かもしれない....
鬼になれば、人間であるあの人達が僕の元に来ることはないだろう
それに、1度目の人生である噂を聞いた事がある
鬼を連れた隊士の話
彼の連れている鬼は人を喰わず、代わりに睡眠をとる事で体力を回復しているみたいだった。
その鬼のようになれば、鬼になっても僕は人を殺さずに済む
僕は一旦、最終選別を終え自分の家に帰っていた
でも、その時今までと違うことが起きた
いきなり目の前に現れて、僕を鬼になるよう誘ってくる男
彼の目には"上弦 参" と刻まれていた
最終選別を受け終えたばっかりの隊士だったらこいつがどのような存在かも分からず、ただ恐怖を感じていただろう
彼は今までの人生で炎柱様を殺した
そんな憎むべき相手に対して僕は
そう言った
次の瞬間
ドクドクドク.....
彼の血が体に流し込まれた
身体が鬼に作り変わっているのだろう
4度目の人生で僕は痛みを感じにくくなっていたはずだ。それなのに激しい痛みを感じる。だがこれでも痛みを和らげているのだろう、だから、この想像を絶する痛みの中僕は意識を保つことが出来ている
一体どれぐらいの時間が過ぎただろう。
身体が完全に鬼になったのだろうか。
今までの痛みが少し引いた気がした
そんな言葉が聞こえて僕は意識を失った














編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。