第3話

ポートマフィア①
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2024/12/08 04:56 更新
中原中也
…目覚めたかァ?
あなた
え…。


目が覚めると、太宰さんや乱歩さんはいなかった。
その代わり、全然知らない人たちに囲まれていた。
あなた
あの…ここは、どこですか?
あなたたちは誰ですか…?
中原中也
手前テメエ、そんなことも知らねェのか。
中原中也
ここは“ポートマフィア”だよ。


ポート、マフィア…
こちらも、風の噂で聞いたことがある。
横浜を縄張りとしている犯罪組織…だとか何とか。
あなた
って、何で私ここにいるんですか!?
武装探偵社にいたはずなんですが…っ
芥川龍之介
武装探偵社?
貴様をあそこへ帰すつもりはない。
芥川龍之介
なぜ太宰さんはやつがれを認めず、貴様や人虎じんこを認めているのか。
貴様もあの人虎と同じ部類の人間だ。
あなた
は…?人虎…?
それに、認めるって…?
森鴎外
おや、起きたかい。
森鴎外
改めて紹介しよう。
ここはポートマフィア。そして私は首領ボスの森鴎外だ。
可愛いお嬢さん、よろしく。
あなた
は、はぁ…。
森鴎外
そして私の妻、エリスちゃんだ。
エリス
キモいわ、リンタロウ!
森鴎外
もう、そんなこと言わないでおくれよ、エリスちゃん!
あなた
あのー…でも何で私はここにいるんでしょうか。
立原道造
あ?お前、覚えてねぇのか?
都合よくお前が出しゃばったから俺がここへ運んできたんだよ。


鼻の上に絆創膏を貼った人…。
探偵社に乗り込んできた人の1人だ。
森鴎外
…とりあえず、名乗ってくれたまえ。
しばらく君はここで預かるから。
あなた
私は…あなたの名字あなたといいます。
でも、何でここにいなきゃいけないんですか。
芥川龍之介
貴様は太宰さんと一緒にいていい人間ではない。だから僕が貴様をここまで連れてきてくるよう黒蜥蜴に命じた。


やばい。今度はここで暮らさざるを得ないようだ。
私は怖くなったが、太宰さんたちに二度と会えない方がもっと怖かったので、抵抗はしなかった。



尾崎紅葉
おや、起きたのかえ?
尾崎紅葉
芥川から聞いておる。今日からここで暮らすんじゃな。
あなた
あ、まぁ…
…あなたです。よろしくお願いします…
尾崎紅葉
わっちは尾崎紅葉。あねさんでいい。
仲良くしてほしいのじゃ。


尾崎紅葉さん───姐さんは、私に手を差し伸べた。
私は恐る恐る、その手を握り返した。
あなた
(綺麗な人だな…。)
尾崎紅葉
怖がらなくていい。我々は其方に危害を加えるようなことはしない。
あなた
…本当ですか?
尾崎紅葉
もちろん。約束じゃ。


姐さんのその言葉に、私は少しほっとした。


中原中也
姐さん、いくらなんでも此奴コイツに甘すぎやしませんか?
探偵社に住み込んでいた人間ですよ?
尾崎紅葉
何か悪いかえ?
ほら、見るのじゃ中也。彼女は鏡花によく似ておる。
あなた
!?
あなた
鏡花…ってもしかして…
中原中也
そう、泉鏡花だ。
中原中也
彼奴アイツは、手前が探偵社に来るずっと前、ポートマフィアにいたんだ。
あなた
え…?あの鏡花ちゃんが…!?
中原中也
鏡花は姐さんに可愛がられてたんだ。
だから手前に好意的なんだろうな。
中原中也
だがな!俺は姐さんのように優しくはしねェぞ。それだけは覚悟しておけ。
芥川龍之介
僕も貴様と友好的な関係を築く心算つもりはないからな。
芥川龍之介
太宰さんと馴れ馴れしく喋るな。
あなた
(芥川さんは何でそんなに、太宰さんに執着するんだろう…。)
エリス
アタシは(なまえ:カタカナ)と仲良くしたいわ!
リンタロウと違って、ワガママ聞いてくれそうだもの!
森鴎外
いや私が一番エリスちゃんのワガママ聞いてるんだけどね!?
あなた
あ、はは…


私は、恐ろしすぎて乾いた笑い声しか出なかった。
これからうまくやっていけるのだろうか…













エリス
(なまえ:カタカナ)来て!一緒におやつ食べましょ!
森鴎外
え〜、エリスちゃんもあなたの名字くんも、おやつタイムじゃなくてこれ着てよ♡
あなた
着ません!
エリス
着ないわ!
森鴎外
…嫌なくらいハモったねぇ。

どうも璃帆です。

ここに来てからというもの、首領の森鴎外さんが変な無茶振りばかりしてくるようになりました☆
森鴎外
変な無茶振りとは何だい…
エリス
今はおやつの時間なの!
リンタロウは邪魔しないでっ
森鴎外
そんな冷たくしなくてもいいじゃないか。私も一緒におやつ食べたいし、この可愛いお洋服も着てほしいのだよ。
中原中也
首領、来てもらってもいいですか。
森鴎外
あ、じゃあ私は行くね。
その間にこれ着ててくれたら嬉s
エリス
絶対着ない
あなた
(エリスちゃん、断固拒否…)




あなた
このケーキ、めっちゃ美味しい!
エリス
でしょう?アタシが一番好きなケーキなのよ。喜んでくれてよかったわ。



エリス
…ねぇ、(なまえ:カタカナ)。
あなた
ん?
エリス
(なまえ:カタカナ)は、ここにいて辛くない?
楽しいかしら?
あなた
え?楽しいよ。
あなた
最初はマフィア=敵っていうイメージで怖かったけど、意外と情に厚くて仲間思いな人もいて安心したかな。
エリス
そうなのね!
アタシ嬉しいわ!(なまえ:カタカナ)がここで暮らすことに不安を感じてたら嫌だもの!
あなた
エリスちゃん…
森鴎外
着てくれてるかn…じゃなくて、あなたの名字くんにあの話をしないとな〜。
あなた
(わざとらしい…)
エリス
着てるわけないでしょ!
今、(なまえ:カタカナ)と結構深刻な話してたところなんだから、空気壊さないでよっ!
森鴎外
冷たすぎない〜?泣いちゃうよ。
森鴎外
…さて本題だが、あなたの名字くん、少し来てくれたまえ。大事な話がある。
あなた
…?






森鴎外
あなたの名字くん、君にはポートマフィアで暮らしてもらおうと思う。
あなた
それは、覚悟してました。
しばらくここで暮らすことになると。
森鴎外
それが違うのだよ。
中原中也
手前には、未来永劫ここで暮らしてもらう。拒否権はねぇ。
あなた
中也さん…?
え…?どういうことですか?
中原中也
本当はしばらく預かるつもりだったが、手前は探偵社にいた人間だ。
探偵社に帰してポートマフィアここの情報を漏らされたら元も子もねェからな。
あなた
そ…そんな…
森鴎外
ポートマフィアは秘密主義シークレティブだから、情報を漏らされたら大変なのだよ。
あなた
じゃ…じゃあ、二度と太宰さんたちには会えないってことですか?
中原中也
いや、そんなことはねぇ。
いつか会えるさ。
あなた
いつ?どこで会えますか?
ポートマフィアに来て、いい人もたくさんいるんだなと思ったけど、探偵社の人たちのことも大好きなんです…
あなた
いつか必ず、会わせてくださいね。
中原中也
あぁ。約束だ。






中也さんはそのまま、部屋から出ていった。












中原中也
楽しみにしてろよ、あなた。
いつか戦場で探偵社あいつらに会えるのを。




その頃、私は探偵社で何が行われているのか、知る由もなかった。
中島敦
あなたちゃん…。
何かされてないかな…。
江戸川乱歩
全く敦は何悲しそうにしてるんだよ。
虚弱体質なのに体調も気にせずあの場に飛び出した挙げ句、倒れて連れて行かれたというのに。自業自得さ。
与謝野晶子
揉めごとを止めようとした姿勢だけはよかったんだけどねェ。
貧血の症状が出なければ、違う未来があったかもしれないね。
泉鏡花
あなた…。無事かな…。
体調崩して倒れたりしてないかな…。
福沢諭吉
皆、落ち着け。
あなたは必ず助けに行くから安心しろ。
これから作戦会議を始め───




プルルルル…プルルルル…



福沢諭吉
ポートマフィア…?
失礼、私が出る。


森鴎外
もしもし、福沢殿。
福沢諭吉
医師せんせい。探偵社に何の用だ。
あなたは無事か。
森鴎外
あなたの名字くんは元気さ。
彼女はポートマフィアうちで預かることにしたのだよ。
森鴎外
探偵社そちらに帰すつもりはない。
だが特別に、彼女の声を聞かせよう。
あなた
社長…!声を聞けて嬉しいです…!!
福沢諭吉
あなた、無事か。ケガはしていないか?
あなた
元気です。
あの、わ、私…ポートマフィアの情報を探偵社に漏らされたら困るという理由で…帰れないかもなんです。
福沢諭吉
ああ、森医師から聞いている。
危害を加えられたりはしていないか。
あなた
…はい。何もされてないです。
福沢諭吉
そうか。あなたのことは探偵社が守ると誓ったからには、必ず助けに行く。
待っていろ。
森鴎外
そろそろいいかい?
あなたの名字くんを助けたいという気持ちは素晴らしい。これからどんな戦いになるか、楽しみだ。



ツー…ツー…


中島敦
あの…何だったんでしょうか。
福沢諭吉
あなたはマフィアが預かるとのことだ。
しかし大切な仲間がさらわれたからには、助けに行く以外の選択肢はない。
必ず助けよう。
江戸川乱歩
ぼ、僕は行かないよ!
あなたは、自分から飛び出していったんだよ。そんなの自業自得────
福沢諭吉
乱歩、私は知っているぞ。
江戸川乱歩
…?







福沢諭吉
お前は、探偵社とあなたの運命を、全て知っているんだろう?

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