第17話

溢れる涙
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2020/07/02 16:45



体育祭も終わり、

葉の色が 黄色や赤色へと移っていく季節______








「もしかして‥‥あなたちゃん?」





振り向いた先にいた綺麗な女性は、優しく微笑んでいた。










あなた)えっ、と‥‥?





面識のない女性に声をかけられ戸惑っている私を、「本当に可愛いわねw」なんて言いながら、


手に持っていたものを私の前へゆっくりと差し出した。


















「このリング、ずっと持っててくれてるのね?ありがとう。」



















私はその言葉に涙した。


















見ることができなくて、だけど 忘れることもできなくて、


生徒手帳の中へ隠していたリング。















「智洋も、ずっとこのリング 握りしめてたのよ?」
















大好きだった “先輩” からもらった ペアリング。













溢れる涙が、止まらなかった。












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