第2話

Chapter2
50
2024/06/22 00:45










気がつくと、私はベッドの上に横たわっていた。



明らかに初めて来た場所であるのに、



可笑しなことにどこか懐かしさを感じた。
あなた
………どこ、ここ。


そう私が呟くと、


ドタバタと階段を登ってくる音が聞こえ、


荒々しく部屋のドアが開いた。
ロボロ
お、目が覚めたんやな!
あなた
………どちら様ですか。
ロボロ
俺は天野あまの呂牡太ろぼたっていうねん。
ロボロ
ロボロとでも呼んでな。
無駄に筋肉だけ肥大化した私より小さいチビが、


べらべらべらべら喋ってる。
あなた
私、なんでここにいるんですか?
あなた
なんの目的があって私をここに連れてきたんですか?
あなた
身体目的ですか?童貞っぽいですもんね。
ロボロ
童貞っぽいは余計やろ?
ロボロ
俺はただ、あんさんを助けたかってん。
ああ、よくいるタイプだ。


自分の「正義感(笑)」に溺れ、


相手のことを考えてると言いながら


自分に酔ってるだけの人間。
ロボロ
だって急に海で泳いでたら上から女の子が落ちてくるんやもん、
ロボロ
びっくりするやろ?
あなた
はいはい、そうですね怖かったですねすごいですね。
あなた
これで満足ですか?
あなた
私は救ってほしかったわけじゃない、ただ死にたかったんです。
あなた
それをちっぽけなあなたの正義感で………
急に尖り始めた私に、


目の前の筋肉は驚いているようだ。
ロボロ
まあまあ、そんなに言わんでもええやん。
ロボロ
とりあえず海水でべちょべちょやから、風呂でも入ってき。
あなた
………着替えがないんですけど
ロボロ
大体お前と俺の身長同じくらいとかやろ?
ロボロ
俺の貸したるから、そこは心配せんで。
あなた
ふーん…………



まあ、外に出てもどうせ自殺するだけ。


私も自分の思う綺麗な姿で死にたいと思ってたし、


風呂入るのは悪いことじゃないな。


風呂入ったことで何かあったとしても、


どうせもう死ぬから関係ない。







あなた
じゃあ、お言葉に甘えて。

プリ小説オーディオドラマ