第13話

不本意な行動
4
2025/04/15 09:39 更新
花咲柚月
花咲柚月
蒼流!!
私の必死の叫びにようやく何が起きたかを理解した先生はようやく蒼流のもとに駆け寄った。
一青零兎
一青零兎
…余計なことした?
花咲柚月
花咲柚月
えっ
図星をつかれて少し焦る。が、本当のことを言うか少し悩む。
花咲柚月
花咲柚月
蒼流に記憶を思い出して欲しくて全てを話した、なんて言ったら先生はどんな顔をするだろうか。そして私と蒼流はどうなってしまうのだろうか。
一青零兎
一青零兎
……はぁ。柚月ちゃん、蒼流に変なこと言ったでしょ。柚月ちゃんの場合記憶を完全に忘れてなかったから思い出す時の脳みその負荷があまり無かったけれど完全に忘れた人に無理やり思い出させようとすると負荷がかかりすぎるんだよ。
まさかの発言に言葉を失う。なら…もう思い出せないのか……?でも、実際思い出せそうではあった。なら、完全に忘れたことにはならないのではないか?
一青零兎
一青零兎
蒼流の記憶はもう一回消すけど、柚月ちゃんも消した方がいいかもね。そして今回みたいにちょっとしか消してから時間が経ってない時に何か言ったらだめだよ。
その言葉にドキッとする。私だけでも忘れたくない。理想をいえばみんな仲良く逃げることが一番だ。が、そんなことは不可能だ。蒼流はもう確定で消されてしまうのだろう。私はどうすればいいのだろうか…?
花咲柚月
花咲柚月
え、えと……
もう、もう耐えられないかもしれない。記憶を消されればもう言いなりだ。逃げ道はない……いや、逃げようと思えばなんとかなる気もするが…多分無理だ。でも…っ、…諦めたくない。
一青零兎
一青零兎
柚月、ちゃん。
先生が言葉に詰まっている。なにか、なにか迷っているのだろうか。最近、というか昨日からだけれども、そこからなんか先生がおかしい気もする…
花咲柚月
花咲柚月
…せ、先生?
先生がこっちに近づいてくる。またっ、気を失うっ…?そう考えるだけで背筋が凍る。そう思っていたら先生が私の肩をつかみ後ろに振り向かせ首の後ろを二本指でポンッと叩いた。
花咲柚月
花咲柚月
ぁ……
こんなこと、まえにもされたような……?そんなことをかんがえてもしょうがない。あれ、なにも、かんがえられな……あれ、わたしっていま…?
一青零兎
一青零兎
…柚月ちゃん。行こっか。
手を引かれ歩かされる。ふらふらと私はついて行くことしか出来なかった。そこからはいまいち記憶が無い。ただ、先生が蒼流を他の誰かに渡して扉を出たところまでは覚えている。
俺はどうするべきだろうか。柚月ちゃんを、柚月ちゃんの、記憶を消しておくべきなのか……?出来ればこのまま行きたい。だが、柚月ちゃんがなかなかこりてくれない。早くこりてくれなければ強制的にやるしか…っ。蒼流は無理そうだな。思い出せても、いや、そもそも中途半端にしか思い出せないだろう。中途半端に思い出すのは良くない……蒼流からしても、俺らからしても…蒼流の記憶はそっとしておけば無くなるだろう。柚月ちゃん。もう少し、もう少しだけ見てみるか……
花咲柚月
花咲柚月
うぅ……
記憶が……ある…?完全に無くなると思っていた、が。なんでだろうか……?というか、先生がいない。前までいた部屋に入れられている。扉も何故かなく、カードキーも無くなっている。私、閉じ込められているのか…?
花咲柚月
花咲柚月
…蒼流。
出来れば蒼流に会いたかった。他の人に引き渡されている時点で無理だとはわかっていた。が、蒼流に会えればなにか話せると思ったから……無理だと分かっていても、もしかしたら。という気持ちの方が大きかったから…でも、無理そうだ。どこからも返答がない。どうすればいいんだろうか。ずーっとそんなことを考えていた。それから、どれくらい時間が経ったのかも分からない。だんだん眠たくなってきた……
 
 
花咲柚月
花咲柚月
んぁ…?
寝ていた。寝落ちと言うやつか。最近寝落ちなんかしたこと無かったな…多分眠くなったのは色々と動いたりしていたからだろう。それにしてもお腹が減った。喉もかわいた。食料も……ない。どうすれば……先生がてっきりくるのかと思っていたがまさか誰もこないだなんて。
花咲柚月
花咲柚月
…声?
この部屋の向こうから声が少し聞こえた。この部屋、もしかしたら防音工事をしていないのかもしれない。ということは中からの声も外にとどくのか?なら…?
花咲柚月
花咲柚月
れっ、零兎先生っ!!
少しとどまりつつ先生の名前を呼ぶ。案の定返事がない……
一青零兎
一青零兎
…柚月ちゃん
花咲柚月
花咲柚月
へっ?!
少し間を置いて返答がきた。なんだろうか。これは先生の作戦なのか?私をなにかするための方法なのか?それなら反応しない方が良かったりするのか…?でも、これしか出してもらえる方法は…っ。
花咲柚月
花咲柚月
だっ、出してくださいっ!!
必死に叫ぶ。これしか何とかもう方法が…
一青零兎
一青零兎
…諦めてくれる?もう無理なんだ。希望なんてないんだ。ね。
花咲柚月
花咲柚月
…え?
急に変なことを言い出す先生に少しびっくりした。
花咲柚月
花咲柚月
……
答えにつまる。ここで、もしここではいっていったら、何をされるか分からない、が。でも、それ以外に助かる方法もない……私は、どうすれば…?
花咲柚月
花咲柚月
わ、分かりました…っ
そしてハッと壁を見るとそこに扉があった。そしてガチャという音とともに扉が開き先生が来る。
一青零兎
一青零兎
…これ。
零兎先生に渡されたのは新しい…首輪……?別に変わった感じは無さそうだ。
花咲柚月
花咲柚月
……?
一青零兎
一青零兎
つけて。今の外せるはず。
ガチャ
本当だ。外れるようになっている。前までは全く開く素振りが無かったのに…そして、これをつけなければいけないのか……?今なら逃げられるか…?いや、無理だな、出口が塞がれてる。
花咲柚月
花咲柚月
…はい。
首を通し、ガチャと付ける。試す感じに少し外そうとしてみるがビクともしない。
一青零兎
一青零兎
ん。
先生のその言葉がまた、また記憶を落とす最後の言葉だった。

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