〜エリスside〜
あなたは、とっても照れ屋だったの____。
言ってから失敗だったと気づいた。
あなたは、いつもリンタロウを見ると顔を顰めていた。
まぁ、それもしょうがないことだけど。
でも、1つ意外だったのは。
ダザイだけでなくあなたも出ていってしまったこと。
バッサリと切り捨て、嘆くリンタロウを放ってスケッチブックを広げる。
クレヨンで、絵を書き始めた。
あなたはふふっと笑う。
執務室には立派なキッチンがついていた。
エプロンを付けて、作り始める。
途中でダザイが乱入したり、中也がそれを引っ張りに来たりもしたけど、
順調に進んでいた。
生クリームをトッピングする。
小さい私からはケーキはとっても大きく見えて。
あなたが狼狽える。
あなたが、初めて会った頃のあなたと重なって見えた。
病室で笑顔で笑うあなたを描き途中、それを破り捨てた。
だって、私の知るあなたは。
優しくて。
素直になれなくて。
料理が得意で。
お菓子を作るのが上手くて。
ちょっと不器用で。
でも、とっても強くて。
負け知らずで。
負けず嫌いで。
頭が良くて。
体術も強くて。
ダザイとはいつも言い合いになっちゃうけど。
でも…。
そうして描き上げた絵には、ウエディングケーキを笑顔で切っている…
あなたと、ダザイの姿。
あなた、貴方は願ってもいいのよ?
幸せになりたいって…。
夢を捨てて、自分を殺して。
大好きな子のために頑張る彼女は、誰よりも照れ屋なのだろう。














編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。