音楽室は3階、今は2階の踊り場にいる
皆、先に行ってしまったから、他の人が来ることはまぁないだろう
志麻くんは優しいから取り囲む女の子たちを手厳しく扱ったり、罵声を浴びせたりなんてことは絶対にしない。
だから、無理矢理流されるように行ってしまった...
川白さんの態度の変貌っぷりにも、もう驚かなくなっていた
「ないんです」と言おうとした次の瞬間だった
川白さんの掌が私の頭へ音をたてて落ちる
案の定、頭を叩かれた私はよろめいてへたりこんでしまった。
そんな暢気なことを考える
だって、わざと余計なことを考えてでもいないと、次にくる痛みや哀しみに耐えられないから
川白さんがそこまで言うと、周りでクスクスと笑って見ていた女子たちが、口々に言い出す
「ざまぁwww」
「ホント、なんで付き合ってんだよ」
「志麻くんが穢れるわぁwwww」
そんなことを言って、座り込む私の足やお腹を蹴り、手や腕を踏んできた
思わず声をあげると、
私を嘲笑い、見下す川白さんの声が響いた
川白さんがそう言って踵を返して歩を進めると、周りの女子たちも後について行った
痣だらけの腹部、赤く腫れた手の甲、若干血の滲んだ足首、そして...包帯の巻かれた両腕。その全てを隠すように服をなおして、ハイソックスを上げた
___ああ、私って生きてる意味あるのかな?
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。