第9話

8.
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2024/03/05 09:00



それから、すぐに先生は対応してくれて、俺をいじめていた奴らはすぐに生徒指導室へと連れていかれた。



俺は保健室で怪我を見てもらったけれど、幸い鼻血以外の出血はなく、蹴られたり殴られたりしたところも大きな怪我にはなっていなかった。

先生は職員室に行く予定があるらしく、俺の手当を終えるとすぐに保健室から出ていって、保健室には俺と瑠久だけが残った。
赤井瑠久
水季、痛いところ無い?大丈夫?
僕が先生を呼ぶのに戸惑わなければもっと早く助けられたのに、と心配そうに言う彼。

そんな彼に、
中村水季
まだちょっと痛いけど……もう大丈夫だよ
と笑って返す。

そうすると彼は、
赤井瑠久
よかったぁ……
と心底安堵したように呟き、ベッドの脇にある椅子に腰掛ける。


中村水季
……ねぇ、瑠久
俺は、彼に話しかける。
彼には、聞きたいことがあった。
赤井瑠久
ん、なに?
軽い感じで返してくる瑠久。
中村水季
どうして……… どうして、俺がいじめられてるって、分かったの?
彼は、驚いたように目を見開いて固まった。
そしてすぐ、俯いて微笑する。
赤井瑠久
あー、それは……
彼は、躊躇いながらも話しだす。
赤井瑠久
昔の僕と、同じだったから………かな


え…?

今度は俺が驚く番だった。

同じ?
俺と瑠久が?
中村水季
え、どういうこと…?




彼は、自分の過去を話してくれた。



それは、俺にとって衝撃的な内容だった。



風鈴(主)
閲覧ありがとうございました!
次回は明日の18:00に公開予定です。

お楽しみに!

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