それから、すぐに先生は対応してくれて、俺をいじめていた奴らはすぐに生徒指導室へと連れていかれた。
俺は保健室で怪我を見てもらったけれど、幸い鼻血以外の出血はなく、蹴られたり殴られたりしたところも大きな怪我にはなっていなかった。
先生は職員室に行く予定があるらしく、俺の手当を終えるとすぐに保健室から出ていって、保健室には俺と瑠久だけが残った。
僕が先生を呼ぶのに戸惑わなければもっと早く助けられたのに、と心配そうに言う彼。
そんな彼に、
と笑って返す。
そうすると彼は、
と心底安堵したように呟き、ベッドの脇にある椅子に腰掛ける。
俺は、彼に話しかける。
彼には、聞きたいことがあった。
軽い感じで返してくる瑠久。
彼は、驚いたように目を見開いて固まった。
そしてすぐ、俯いて微笑する。
彼は、躊躇いながらも話しだす。
え…?
今度は俺が驚く番だった。
同じ?
俺と瑠久が?
彼は、自分の過去を話してくれた。
それは、俺にとって衝撃的な内容だった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。