第17話

保健室
1,784
2017/10/08 13:55
鈴の寝るベッドの横に椅子を移動させ、バッグを膝にのせて、横になる鈴の顔を見ていた。鈴は辛そうで、私も胸が痛かった。
鈴の熱は、私のせいだ──私が雨の中、外に出なければ──。
鈴
あなた、ちゃん?
あなた

鈴っ!?

うつむいていた私にかけられた鈴の声は、とても小さくて、今にも消えてしまいそうだった。
あなた

ごめんっ、私のせいだよね・・・私が屋上にいたから──

鈴
違う、よ
否定する言葉も、とても小さかった。
それでも、私は肯定することはしない──してはいけない。
あなた

違くないよっ・・・!

私がいると、みんな不幸になる。私は不幸の源だ。
真理まで迷惑かけて、鈴をこんなにして、先生とかにも迷惑かけて・・・自分まで苦しくさせて。
私の頬には、涙が流れ出た。
鈴
あなた、ちゃん・・・泣かない、で?
鈴は私の顔に、腕を伸ばして手を当ててきた。
暖かくて、大きな手・・・優しい温もりが感じられて、更に涙が溢れ出てくる。止めたいのに、止められない・・・。
あなた

鈴っ・・・私、わかんないよ・・・

どうすればいいの?鈴について行けばいいの?離れればいいの?これから、どうすれば不幸を振りまかないですむ?
鈴
あなたちゃん・・・
鈴の手が、私から離れた。そして、かわりに抱きしめられた。鈴が無理して、起き上がったのだ。
鈴
大丈夫、俺がいるでしょ?
あなた

ダメだよ・・・好きになっちゃうよ・・・

鈴
なってよ、ね?
鈴の手が、優しく頭を撫でてくれた。
私の目から、更に涙が溢れ出てくる。
あなた

鈴の、バカ・・・

鈴
あなたちゃんしか考えられないバカですよーだ
鈴は笑って言った。怒ってたはずなのに、なぜか嬉しかった。

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