うちの学校は特別授業が2日に1回ある。
保育の授業か、デザインの授業か選ばないといけない。
私は保育を選んだ。
教室にはまだ私達以外誰も来てないみたい。
私の隣に座った真司郎が不思議そうに言う。
ふぅーんと言いながら、頬杖をつく。
いつもそんな変なこと言う。。
真司郎のイジワルに振り回さらながらも授業が始まった。
私はプリントとにらめっこする。
そんな事でいいのかな?
ツンツンッ
真司郎が私の肩をシャーペンでつついた。
ニコッと笑った顔にキュンとしてしまう。
真司郎はあははと笑って、私の肩を叩いた。
急に真剣な顔をする。
なんなのよ、この人は。
出逢ってまだ2ヶ月だから、言ってるんだよ。
まだ間もないのに「一緒に居たい」だなんて。
期待しちゃうでしょ。
私は慌てて真司郎の手を止める。
そう言って私を見つめる。
つい、真司郎の次の言葉を待ってしまう。
は?
そうくる?
若干適当に言った言葉を真剣に書いてる姿を見て、愛おしいと思ってしまう。
すこしスキップして紙を出しに行った。
私はいつも、無邪気な貴方に振り回される。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。