第3話

夢にまで見た世界
33
2017/10/24 09:24
ドンッ




頭が混んがらったまんま落ちたお陰様で
爽快に(?)尻もちをついてしまった




「イテテ……ここ何処?」




誰も見ていないことを確認しゆっくりと立ち上がる
あたりを見回すとあるのは外の光のみで何も無い。




「この光月明かりっぽい……今朝だよね?
だって私さっき……学校に向かう途中だったよね?」




自分の記憶を辿ろうと口に出す。
でもそんなことをしてても何も分からないので結局外へ
「えっ……」




そこは森の中だった。
でもキラキラ光る石がそこには転がっていて思わず手に取る。




「すごい……これ見たことないや」




「……見たことが無いなんて珍しいね」




「うわっ!?」




「ごめんごめん。びっくりさせるつもりは無かったんだ」




そこには男の人が立っていた。
彼はそのまま優しく笑うと私に寄る。




「君はどこから落ちたんだい?」




「落ちたって何故それを……?」




あの場所には私以外誰もいなかったはずなのに
知っている訳がない。
その不自然さに怪しんだ。




「あぁ。何回か前例があるんだよ」




「前例!?そんなに……?」




「大昔さ。ある事件で空間が開いてしまったんだ
この世界とは別の世界への扉がね。

それはどこにでもあるから困ってたんだけど……
全て無くしたはずなんだけどな」




「………」




なのに突然開いてしまった。
その犠牲者は私……




「その扉……言うば、私が落ちた場所を教えれば
無くなるんですか?」




「無くなるさ。でも君はまだここに居たいはずだよ?」




「え?」




「来てごらん」




手を引っ張られ森を抜けるとそれは夢にまで見た世界だった。




「飛んでる……魔法の世界」




「もう少し此処に居てもいいと俺は思うよ?」




「でも……私は向こうの世界に家族がいるんです。」




夢にまで見た魔法の世界だけど
優しい兄やお父さんお母さんを置いてまでここには
居たくない。

その気持ちが大きかった。




「……そうか。でも何方にしても
君はここに居なくちゃいけないんだ」

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