第3話

ネコの日常3
192
2017/10/24 09:57
私が『読書同好会』に入り、一週間が経った。思惑通り、私は1人で部室を占領し、1人の時間を楽しんでいた。
でも、そんな時間は突然終わってしまった。
いつも通り、誰もいない静かな部室を開けた時。
そこには、人が居た。
一狼
一狼
何だ。あんた、この部活の人?
突然見たことのない人が部室に居た驚きと、その態度のふてぶてしさが混ざって、私は何も言えなくなってしまった。
初対面の人のことをあんたって。というか、こっちに質問するよりも自分のこと言う方が礼儀でしょ。
なんて考えていた。
一狼
一狼
ここ、良いよね。人いないし。静かだし。
あなた

あなたが来たおかげで、静かじゃなくなりそうだけどね…

あ、やば。
ついつい声に出して言ってしまった。
相手は怪訝そうにこちらを見て、なかった。なんか、もう読書を始めている。
…この人は、大丈夫かも。
ふてぶてしくて、すごく自分勝手なのはもう分かってしまったけど。
この人は、他の人とは違う。
私は、いつもの席…今だとその人の前に座った。そして、カバンから本を取り出す。
この日から、私の日常が少しずつ変わっていく、なんて考えもしなかった。

プリ小説オーディオドラマ