第11話

貴方Side
1,919
2017/12/10 15:12
ジャン
ほれ、食えるか?
ジャンが聞いてきた。
あなた

でも答えない。
なんでかって?
ジャン
ん?どうした?
それはね

















あなた

…あー

ジャン
!?/////
ジャンに食べさせてもらいたかったから。
こんな時くらい甘えさせてね。

君はいっつもミカサミカサで、私なんてきっと眼中にもない。
こんな叶わない恋したって、意味ないってわかってる。
だから今、ちょっとずるいけど、この立場を利用して最大限の甘えを。


なんだかんだ言って、口の前にゼリーの乗ったスプーンを近づけてくれる。
パクッと咥えたゼリーとスプーンがひんやりしていて気持ちいい。
爽やかなマスカットのゼリーだった。
食べ物を所望したのは私だけど、5口目ほどでギブアップ。
ごめん、ありがとうと言ったら、どっちだよって笑われた。
その笑顔につられて私も笑った。
ジャン
お、そーそー笑ってろ、
笑ってたら一緒に風邪も吹き飛ぶぜ
頭をくしゃっと撫でてくる。
少し、頬が赤くなるのを感じた。

何とかさっきよりも喋る気力が出てきて、ジャンにこう伝える。
あなた

今日は、迷惑ばっかかけちゃってごめんね

ジャン
いいって、気にすんな
あなた

ジャンはやっぱり優しいね!
私も早く風邪治さなきゃ

プツンと何かが切れるような音がした気がする。
ジャン
……なぁ、風邪の早い治し方、知ってるか?
あなた

え…と、早く寝る、とか?

ジャン
それもそうなんだけどよ…
ジャンの顔が近づいてくる。



50センチ…



30センチ…



10センチ…



5センチ…












ジャンが手をついたベットがきしりと音を立てて、唇に柔らかい感覚。
触れただけの、軽いキスだった。
チュッという音とともにそれは離れる。
お互い顔は赤かった。

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