ピコンッ
ん?誰からだろう…。
あっ、乃愛からだ。
乃愛怒ってないってことかな…?
メールくれたし。
実はずっと気になっていた。
あの日、乃愛をおいて走っちゃって。その後メールを送る勇気がでなくて、結局会ってもないし連絡も取ってなかったから。
今の時間なら電車乗ってるよね。陸斗と冬馬くんと3人で行ってるかな?
あっ、陸斗は玲奈ちゃんとか。
ん?
そういえば昨日何があったんだっけ。
公園のあたりから曖昧だなぁ。
お母さんの話では私が高熱出して、冬馬くんに送ってもらったんだっけ?
ピンポーン ピンポーン
モニターにうつっていたのは…
『数分後』
そう、なんと来たのは陸斗だった。
ハハッ(笑)
そこはちゃんとするんだ。
わざわざこれを届けに?
ドキンっ
ん、今私ドキンって。
もう!陸斗がらしくないことするから!
陸斗と喋るの嫌なはずなのに、喜んでる自分がいる。
さっそくキットカットを食べていると、陸斗が喋りだした。
陸斗がおくってくれた?
昨日私は、冬馬くんと遊んでて…
少し怒り気味で、教えてくれた。
私が気を失ってる間のことを。
私が地面に崩れ落ちたから、冬馬くんがベンチで寝かせてくれてたらしい。
そこにたまたま陸斗が通りかかって、私を家までおくってくれたと。
…うん。イマイチわかんない。
うっ、奪ったって…
そんな言い方反則だよっ!
話が変わった。
今日の陸斗なんか変だよ…!
だけど
心配してくれてたなんて、嬉しい!
あ〜、ふっきれてないな。私。
そう言い終わらないうちに陸斗はもう家を出ていた。
今日の陸斗ホントになんか変だよ
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。