第66話

作戦開始
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2018/08/29 06:40
私が目を覚ました時は、手も足も動けないように鎖で縛られていた。






私が警戒しながら周りを見渡すと…







私の前に王が立っていた。












王は私をしばらく見つめてから、言ってきた。









『お前も本当の目的を知ってしまったか…。何故、探った?』













私が今まで見たことの無い顔だ。















少し怖い…。











私は王に対して、初めてそう思った。













『なんのことか分からない』













私は知らないふりをしてみた。















けど、通用しなかった。













『知らないふりをするな!本当のことを言え!』














私は、いつの間にか静かに笑っていた。












止めようとしても、止められない。













王はそのことに気づいてないようだった。











私は教える代わりに条件を付けることにした。







『じゃあ、その前に聞かせて。私もちゃんと答えるから。これから、私をどうするの?』

















少し間はあったが、王は答えてくれた。
















『実験道具として使う。でも、大丈夫だ。怖くない。実験道具にする前に注射を打ってやるからな。心を失い、何も抵抗の出来ない状態にしてやる。次はお前の番だ!』















もう、準備は出来た。












『分かった。私も答える。…私は復讐をする為に資料を探った。それだけ。それ以外の目的は無い。これでいい?もう会わないと思う。さよなら…』














その瞬間、私はその場から消えた。
















これは、転移魔法だ。













行きたい場所を頭で浮かぶとそこへ着く。














私が浮かべた場所、それは…









謎解き迷路だ。












そこに行く理由、それは、琉とお別れの挨拶をする為だ。












回復してあげたいけど、もう時間が経ちすぎていて、無理だ。










だからせめて、お別れだけでも告げに行きたい。














その後は、ちゃんと日本に戻る。
















でも、正直、成功するかどうか不安だ。











失敗した後のことを考えてないから。















けど、私はやる。















本物の蘭が「貴方なら出来る」と言ってくれた。















私はそれを信じる。














そして、抜け出してみせる!













この意味のわからない世界から…。








それに、もう復讐はいい。












今の私じゃ、王には敵わないって分かったから。


















だからこそ、私は力をつけなければならない。



















王が日本を襲ってくる可能性があるから…。




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