1月11日
『重っ...』
今は成人式の振袖を着て会場前
真冬のこの時期に空は曇り空
『寒すぎでしょ...』
そう言って白い息を見る
今日は3年E組がみんな揃う日
...もちろん、あの人も...
あの日も1人で白い息を見てたなぁ...
「...あなた?」
懐かしい声に後ろを振り向く
そこには、見慣れた緑色の髪を、昔とは違い、おろしてパーマをかけている子がいた
『...カエデ!』
茅「やっぱりそうだよね!」
友達のとの五年ぶりの再開にたくさんの感情が込み上げてくる
背が伸びたなぁ~、とか、大人っぽくなったなぁ~、とか
渚なんて背の低さは相変わらずだけど、髪はバッサリ切って、少し男の子らしさが出ている
「みんな大人になったな」
これまた懐かしい重低音の声
「「「「烏間先生!」」」」
5年前と変わらず、黒スーツの烏間先生
隣には髪をお団子にしたビッチ先生もいる
ビ「すっかり綺麗になったわねぇ」
ビッチ先生は女子の成長ぶりに少しばかり感動している
渚「殺せんせーは?」
最も重要な担任の殺せんせーがいない
訳あって、"殺せんせーも私たちも生きる"という結果で卒業した
烏「タコはまだ来てないのか」
ビ「こんな大切な日に...」
茅「...カルマ君もいなくない?」
その名前に一瞬ドキッとする
もしかして...
赤「ごめ~ん、寝てた~」
その時"彼"が来た
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。