抱きついた。
何も考えずに。
彼の服を涙で濡らしている事すら、
頭の片隅にもない。
涙がだいぶ落ち着いた頃、
ジミンさんが口を開いた。
二人の間に沈黙が走る。
その沈黙をジミンさんが破った。
確めながら私の名前を呟く姿に、
少しクスッと笑ってしまった。
照れながらの爆弾発言。
ジミンさんの顔が赤く染まっているのが分かる。
多分、私も、
同じ状況だろう。
外見は凄く大人で、お金持ちで、
堅そうなイメージのある感じだけど、
中身は照れ屋で可愛くて、優しい。
そんなジミンさんに興味を持った。
それからはお互いの話をして、
気が付けばもう日付が変わる時間。
ジミンさんと会った今日は、
多分忘れないだろう。
いつしかジミンさんの存在が、
大きなものになっていた。
でも、頭の片隅には、
思い出したくない記憶と共に、
あのキムテヒョンという人物が、
ずっと居座っている。
覚えていないわけが無い。
むしろそれがきっかけ。
そう言うと、ジミンさんは、
髪の毛をくしゃくしゃと触って、
こう言った。
ジミンさんは髪の毛をかきあげて
私の目を見つめ、一呼吸置いて
と言った。
断る理由なんてなくて、
助けてもらった彼に、
興味を抱いていたのは事実。
テヒョンの事、忘れさせようとしてくれたのも、
優しくしてくれたのも、
ジミンさん。
“超嬉しい”
ジミンさんはそう呟いた。
私もそろそろ眠たくなってきて、
さっき指示されたベットに寝転がり、
あっという間に眠りに落ちてしまった。
私はこれから起こる出来事を、
全く予知する事が出来なかった。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。