第24話

知らない世界
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2018/01/12 07:37
珠咲(すざく)
ご馳走様でした。
沈黙の食事。
珠咲のお皿の上にはまだ沢山の料理がのっていた。
珠広
珠咲…それじゃ
珠由
珠咲。最後まで食べて。
珠咲(すざく)
すみませんが気分が悪いので。
珠咲はそのまま家を飛び出し、学校へと向かった。
まだ7:30…

学生なんて高校生ぐらいしか歩いていない。
千樹
珠咲ちゃん?
珠咲(すざく)
千樹先輩?
こんな朝早くにどうしたんですか?
千樹
今日の部活で使う問題を準備しようと思って…
珠咲ちゃんこそどうしたの?
珠咲(すざく)
えぇ…っと…
珠咲(すざく)
兄と喧嘩しまして…
千樹は目を丸くして珠咲の方を見た
千樹
あんなに妹好きのヨシ先輩が?
珠咲(すざく)
…妹好きかは知りませんが
喧嘩しました。
千樹
喧嘩するんだね~
珠咲(すざく)
はい…ちょっと今日寝不足で体調が…
千樹
珠咲ちゃん!?珠咲ちゃ────
珠咲はそのまま倒れてしまった。
家を出る少し前の会話だ。
珠早
おはようございます、お姉様
こんな朝早くにどちらへ?
珠咲(すざく)
学校よ。
珠早
昨日は大変でしたね。
知ってますよ?寝てないでしょう。
珠咲(すざく)
何の話?
珠早
目の隈が凄いので
それと、昨日は御手洗いで…
珠咲(すざく)
嘘はいけませんよ?
私は元気なので。
珠早
そうやってまた偽るのですか?
珠早
貴方をお守りする人間を省き
1人で仮面を付け大舞台に立つ?
僕らは裏方作業ですか?
貴方の仮面を剥がす人間
ではないのですか?
そしてまた1人で仮面の裏で
泣き崩れるのですか?
珠咲(すざく)
違う。
珠早には知って欲しくない世界。
珠咲は珠早に向けていた背を隠し、ニコッと微笑んで家を飛び出した。

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