弱々しい返事がポツリとひびく。
誇町がプリントの裏に丸三と書く。
視線が真伊島に向く。
真伊島の目は珠咲に向いた。
会場がざわつく。
千樹がそう声を出そうとしたとき、珠咲は席から立ち上がり、髪を下ろし、真伊島の前に立ち、人差し指を口に、親指と中指、薬指、小指を輪郭に沿ってそっと当てた。
やばいと思ったのか珠由と珠広が珠咲に駆け寄ろうとするが珠早が止めた。
京はクスクスと笑っている。
息を切らした真伊島に珠咲は笑う。
お腹を抱えながら涙が出るほど笑っている。
真伊島の顔が蒼白になる。
冷や汗が額からたれている。
珠咲は真顔になりとどめの一言を言った。
真伊島の顔はますます青ざめていった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。