第50話

フラッグ
61
2018/01/29 14:33
第1試合

1位 水野宮
2位 島ノ瀬
3位 南陽日立

と、一勝を掲げた。
佐藤先生
水野宮の選手の場合、全選手が暗算で手前へ引きつけるような動作が観られます。
とてもいいと思うのでこれを他校も生かしてみましょう。

島ノ瀬の選手は安定感がありますね。
そろばん、暗算、そろばん、そろばん、暗算。バランスのとれた組み方だと思います。

南立の選手はそれぞれの能力が生かされた組み方だと思います。選手それぞれの得意な種目にも備えた並びだと思います。

では、2試合目に入ります。
2試合目

1位 水野宮
2位 島ノ瀬
3位 南陽日立

と、2連勝を飾ったのだが、 


3試合目、4試合目で南立が勝を2つ納めた。

どちらも二勝二敗。

次で最後の5試合目。

掛け算は南立が、割り算は島ノ瀬がフラッグを立てた。
千樹
見取りのみだっ!!
勝ち取りに行くぞっ!!
部員
ハイッ!!
万の机に薄っぺらいプリントが配られる。
佐藤先生
──よおぉぉおいっ!!
万は一瞬にしてプリントをめくりそろばんの上に数字を並べた。
後ろへ、後ろへと回っていき千樹の番まで来た。

あっと言う間に解答を埋めていく。
千樹
ラストッ!!!!
その時、隣からも同じ声が聞こえた。
ほぼ同時。いや、少し速かった。

緩成の指が糸を紡ぐように動く。

クシャクシャのプリントを掴み、





『パザッ!』


紙が張り、パッとなるいい音と同時に、ザッと紙が破けたような音もした。
珠由
1番!!
緩成のプリントの裏に大きく丸一の文字が書かれた。








──南立にも、水野宮にも勝ったのだ。

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