静かな朝だった。
誰もいないキッチンで、紅茶を淹れる。
誰のためでもない、自分のためでもない――ただの“習慣”。
…私はまだ貴方以外に恋してないみたいよ?
ドイツさん。
舌がヒリヒリと痛くなるのを感じた。
次の相手は、カザフスタンだった。
整った顔立ち。穏やかな声。人懐っこいけれど警戒心を持ったその目。
彼が彼女を見つめたとき。
彼女が微笑み返したとき。
物語は始まっていた。
けれど、それでいいのだって
__この恋も、きっと素敵だったって、いつか感謝できるから__
そして彼女は、また恋を始める。
また優しく、また美しく、また致命的に。
繰り返す。永遠に。飽きるまで。愛するまで。
___________end
次回、スピンオフ












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!