第74話

『初めての大ゲンカ......!?⑤』
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2021/06/16 11:39 更新
【莉犬side】
あれから3時間。
日付が変わって、午前2時を回っても。
莉玖
莉玖
(どこで何してるの...?
俺があんな言い方したから...!)
彼女は、帰って来なかった。
莉玖
莉玖
『皆の所に璃夢行ってない?』
たまらず、璃夢と唯一会った事がある
メンバー達に連絡を入れるが。
ころん
ころん
『ええ、家?来てないよ?』
ななもり
ななもり
『ちょっ、え!?
早く見つけてあげないと...!』
さとみ
さとみ
『来たら連絡する』
るぅと
るぅと
『昨日ジェルくんと一緒に居る所見ました』
ジェル
ジェル
『むぅちゃん?昨日少し喋ったけど...』
何やら気になる発言が2つ。
莉玖
莉玖
『えっ、何それ。どういう事!?』
即座に個人トークに飛んで、詳しく話を聞く。
るぅとくんの話は、こうだった。
るぅと
るぅと
『僕、昨日少し買い物しに
ショッピングモール行って』
るぅと
るぅと
『そこでジェルくんとむぅさんが
手振り合ってる所を見てさ...』
るぅと
るぅと
『人違いだったら良いんだけど...』
あまりにも現実味の帯びた話に、独り言が零れる。
莉玖
莉玖
やっぱりデートだったのかな...
納得してしまうような、悔しいような、そんな気持ち。
ありがとう、と返してから。
ジェルくんとのトークルームに向かう。
ジェル
ジェル
『言っとくけどデートとか
浮気とかでは無いからな...?』
ジェル
ジェル
『莉犬のプレゼント選びたいって言ってたから
アドバイスあげただけやし...』
並んで居た文字に、小さく目を見開いて。
莉玖
莉玖
『え』
驚きを、そのまま文字にして返信すると。
ジェル
ジェル
『あっ、うっかり...』
どうやら、秘密にして欲しいと頼まれて居たようだった。
すぐに送信取消されたが、見てしまったからには仕方ない。
莉玖
莉玖
『ごめん。それ本当?
俺のプレゼント選びに出かけてたの...?』
自分が何をしてしまったのか自覚したから。
莉玖
莉玖
(どうしよう、俺.........)
その優しさを、先走った誤解で踏みにじり。
ジェル
ジェル
『何か酷い事言っちゃったんなら...
早く謝った方が、ええよ』
ジェルくんと、るぅとくんの事を疑ってしまった過ちを。
後悔に、目をキツく閉じて。
莉玖
莉玖
『うん、そうする。
また何かあったら連絡入れるね』
トークを終えたスマホをベッドに放り投げ、腕で目を覆う。
部屋に染みつく彼女の匂いが鼻に突いた。
莉玖
莉玖
このまま...帰って来なかったら...
行き先も話も聞くこと無く追い出してしまったから。
莉玖
莉玖
どうして、もっと優しくしなかったんだよ...
どこに居るかの心当たりが、全く無い。
こういう時、彼女が何処に行くのかの検討すら付かない。
『出てって。璃夢と話す気、今は無いから』
『.........っ分かっ、た』
莉玖
莉玖
(謝るから...戻って来て...)
途方に暮れた、その時。
莉玖
莉玖
_______え?
高校時代、彼女の口から良く聞いた名前。
莉玖
莉玖
(何で電話なんか...)
その名前が、スマホの画面に映し出されて。
莉玖
莉玖
...........出よう
あの子なら何か知って居る。...そんな謎の確信が。
今の俺の中には、あった。

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