第13話

Jisung×Renjun
4,522
2024/04/03 01:14





『…っ、あ…ぁ、ゃ゛、こっち、くんな゛ッ、泣』


半ば脚を引きずるようにして逃げ惑った。

薄く笑みを溢して立ちはだかる長身。




こんなはずじゃなかったのに。




______






その日はゲームをしに友達の家にお邪魔した。

2階に上がって部屋に案内され、テレビの前に座った。飲み物とか食べれんの持ってくる、と行って彼は出ていったため、気休めにネクタイを緩め、第2ボタンまでシャツのボタンを外した。

仲が良いと言えど慣れない場所には息が詰まる。

しかし案外、早く戻ってきて直ぐ様ゲームを起動した。ログイン中で物音無い静かな部屋。

『今、誰も家居ないの?』

HC「あー…親は居ないけど弟が居る」

『は、お前弟居たのかよ』

衝撃の事実。ずっと一人っ子だと思っていたが弟が居たらしい。それに二つ違いの。あれ、言ってなかったっけ?とヘラヘラ笑うへちゃん。言ってねーよ。

本来なら高1だけど不登校なんだとか。

HC「何か彼奴、精神的に病んでるから」

今も部屋に籠もってるし。

何だか意外に感じた。普段、へちゃんは陽気でクラスでも中心に居るような奴だから弟もそんな感じなんだろうと思っていた。

兄弟は似るものだと思っていたが反対の場合もあるんだな。

まあ、でも弟は弟。

話のキリがいいところでまたゲームを再開した。



あれから、時計の長針が2周程してふと、メールを見たへちゃんが話しだした。

HC「はぁー、あのひょん…」

と呆れたように微笑混じりの溜息を溢した。呼ばれたから行ってくると言ったあと、

HC「すぐ戻って来るから!!
  絶対勝手に帰えんなよ!!」

まだ全クリしてないからな!!

と念押しされて残らざる終えなくなった。流石に遅くなり過ぎるとよくないため早く戻るようにだけ言っておいた。

HC「おっけー」

軽くそう返事して、スマホ片手に出ていった。




出ていって早5分。

どうせ彼奴の事だから話が止まらなくなって帰るのが遅くなるなんて目に見えている。かと言って勝手にゲームを進めておくのも気が引けたため、スマホを弄っていた。

そこで響くノック音。


『…はい?』

瞬時に頭に様々な憶測が飛び交った。

誰だ?弟?まあ、弟しか居ないはずだもんな。
へちゃんも帰ってきてないし、でも何の用だろう?

彼奴の弟ってこともあって少しワクワクした。

JS「…入りますね、」

第一印象は声が低いだった。

そのまま、ドアが開いて顔を覗かせたのは幼い顔立ちながら鼻筋が通り、何処か大人っぽくもある青年だった。

『どうしました…?』

取り敢えず、そんな事を聞けば少し戸惑いを見せる。その姿からはコミュニケーションをとるのが苦手なことが伺えた。でも、それ以外は特に何も感じられず、彼奴が言っていた精神的に病んでいるようには見えなかった。

JS「ぇ、と…充電器、探して、て…」

ある程度察して、一緒に探した。

彼奴の事だからベットに放ってあるんだろうと見れば案の定、そこにあった。見つけた充電器を彼の元へ持っていく。

『これだよね?はい、』

俯き気味の彼に手渡しすれば小さく礼をして部屋から居なくなった。


あと、僕はどれくらい待てばいいだろう。
そう思いながら気付いたら眠りに落ちていた。




あれから何分経ったのだろう。
まだ彼奴帰ってきていないのかよ。


ふと目を覚まして、目を開けた。


『…ぇ、』

そこには彼奴の弟が居て、

薄っすらと笑みを浮かべながらカチッと何かスイッチを入れた。


途端に後孔の違和感に気付いた。

へちゃんの弟__ちそんは何が起きているのかが理解しきれていないろんじゅんの隙をついて組み敷くように細い手首を床に押さえつけた。驚きか恐怖かで目を見開いたろんじゅんが可愛い。

『ぃ…ッ、おいっ、離せ…ッ、なん゛、だよ…っ』

彼の罵声などちそんには届いていなかった。恍惚とした表情で彼を見つめ、夢中で小さな唇を貪った。

更にスイッチを捻って。

『ん、ぁあ゛、っ、や、やめろ゛ッ、てもうっ泣』

大きな手が自分の陰茎を扱き始め、徐々に扱く速度が速くなってくる。泣きじゃくって息絶え絶えのろんじゅんは少しもの抵抗にちそんを脚で蹴った。

ちそんにとって力の入っていない脚の蹴りなど痛くもなんともなかったが一瞬怯んだ隙にろんじゅんは部屋から逃げ出した。

捕まらないように、四つん這いになりながら離れることだけを考えた。

早く、早く帰ってきてよ、へちゃな。


『…っ、あ…ぁ、ゃ゛、こっち、くんな゛ッ、泣』

振り返ればゆっくりと此方に向かって来ていて。泣きながら藻掻いた。

けれど。

JS「逃げちゃだめ、ひょん」

後ろから大きな体に抱き竦められて身震いした。低く囁かれ、首筋に生暖かい舌が這った。

『ひぅ、ッ…ぁ、や、やめ…あぁ゛…っ泣』



ひょんが誘うようなことするからこうなるんですよ、って。

可愛い顔で覗き込んできたり、胸元を開けたまま寝落ちしたり、ひょん、僕のこと好きなんだよね?って。

JS「ひょんが悪い」

そんなつもり、毛頭なかった。


「少しくらい酷くしてもいいよね」

「僕もひょんのこと好きだよ」

『ひぁ…ッ、はぁ、…はぁッ、も、やめ゛、てって泣』



相違した声が飛び交った。

それすらも一種の照れ隠しだと思い込んだ。泣き喘ぐろんじゅんを軽々と横抱きにして、自分のベットに押さえつけるちそん。


それから、サイドテーブルのスマホに短いメッセージを打った。

[ひょんの友達、急用で先帰ったよ
 まくひょんとゆっくりしてきなだって]

送信し終え、始まりを表すかのようにスマホを置いた音が顕著に鳴った。

ろんじゅんが視界に入ると更に異常な迄の嗜虐心と激しい思い込みが彼の中を埋め尽くす。




JS「暴れないでください、ひょん」

そんな急かさなくても、
いっぱい気持ち良くしてあげるから。




end

プリ小説オーディオドラマ