晴樹「これ、どういうことだよ」
いつものような帰り道、晴樹が押し付けてきた携帯の写真は、バッチリ昨日の私達が写っていた。
タイミングは最悪で、丁度一くんが私の頭に手を置いているとき。
ちゃんと、残りの三人も映っていた。
晴樹「何人の男連れて歩いてんだよ」
あなた「え…いやこれ、お兄ちy「もう俺は…っ」
晴樹「お前を信じらんねえ…」
あなた「だからお兄ちゃんなんだってば!」
私の言うことなんか聞かず、淡々と春樹は喋り続けた。
春樹「別れよう。」
それだけ言い残すと、走って帰っていってしまった。
今日は金曜日。部活の時間、ストレスが溜まっていたからか、スパイクではアウトを連発してしまった。
その日の帰り道、憂鬱な気分のまま独りで歩いていると、後ろから声をかけられた。
女「振られたんだってね。」
昨日の女子。ザマアと言わんばかりの表情に鳥肌が立つ。
女「私の言ったとおり、あんたは晴樹くんに嫌われてんのよ。」
ニヤつく悪い笑顔の彼女は、今度は私の脚を思いっきり蹴った。
あなた「う……ぐ…っ」
激痛が走り、立つことができない。
その子が帰ると、どうにか家にたどり着き、痛みが消えないので検査すると骨折をしていた。
少なくとも中学ではもう、バレーなんてできないらしい。
当時の私にとって、辛すぎることだった。
日曜日、お兄ちゃんと二人で外を歩いていると、公園に晴樹が居た。
その隣には________昨日の女子が居た。
楽しそうに笑う二人がこちらに気づくと、最後に睨みつけられ、また二人で笑いあっていた。
とどめを刺され、これで私は身も心もズタボロ。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。