俺は、昔はこうじゃなかった。
というかどちらかと言うと黒髪は好きな方だった。
初恋が黒髪だから。
隣の家の子が黒髪で、
家族から除け者にされて玄関前で俯きながら
お腹空かせてそうだから
家にあったパンを分けてあげた
そんなことしてたら段々心を許してくれて
笑顔まで見せてくれて。
いつの間にかそいつのことを好きになってた。
今日も会いに行こうとルンルンで家に帰ったら、
居なかった。
何処にも居なかった。
一日中探したけど、
何処にも居なかった
ドコニモイナカッタ。
だから、
俺を裏切ったから、
黒髪が嫌いになった。
初恋の人のせいで出来た心の穴を塞ぐように
色んな人と関係を持った。
これが俺の背負ってる過去。
なんであの時の子が、
あの時の黒髪が、
ここに居るんだろう。
なんで俺は、気が付かなかったんだろう。
でも、
だけど、
好きと言うには、
仲良くしたいと言うには、
まだ違う気がする。
気まづそうに、
苦しそうに、
どうしたらいいか分からないと言うように、
俯いたまま、
言葉に詰まっている。
違う、俺はそんな顔させたいんじゃない。
今までの発言から、
俺の言葉に信憑性は無いけど、
でも、
ただ、
誤解だとは伝えたい。














編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。