第9話

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2026/03/02 08:00 更新
あなた
ッ…!

気づけばもう早朝
荒い息。チラリと隣を見れば

スヤスヤと眠る、タカ丸さん
あなた


置いてかれたのは夢だった



大丈夫大丈夫。タカ丸さんは何処にも行かない


ほんとに?


あいつらはもう居ないから


戻ってくるかもよ?

もう僕は弱くない。


喋れないくせに



斉藤タカ丸
んぅ…?あなたの下の名前くん…?





迷惑しかかけてないよ?


喋れない僕は迷惑でしかない。


そろそろ見放されるよ?


見放される。


そろそろタカ丸さんも飽きた頃じゃない?

僕に飽きる。





嫌な考えだけが頭に響いていく。
怖い。怖い。
斉藤タカ丸
あなたの下の名前くーん?
あなた



急に体が抱きしめられる
斉藤タカ丸
大丈夫だよぉ?



タカ丸さんの優しい声がする
斉藤タカ丸
怖い夢見た?




こくりと頷くと

「そっかぁ」と言い

頭をよしよしと撫でてくれる
あなた
ッ…



タカ丸さんの優しさにもっと甘えたくなる

目からは涙が少し零れてしまった


「よしよし」と言いながら撫でてくれる。
その手には安心感があった

あなたの下の名前君メモ③
虐められていた

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