タカ丸さんの前で泣いた朝
今はもう夕方に近い時刻になっていた
喜八郎が穴を掘っているところをボーと眺める
意気揚々と穴を掘っている喜八郎はキラキラしていた
何も喋らないけど、
すごくご機嫌ということが見てわかる。
不意に名前を呼ばれる
何というように首を傾げると
タカ丸さん。何ばらしてんの?
多分あの頃というのは
僕がちょうど1.2年生の時のことを指してるのだろう
気まずいので目を逸らすと
喜八郎は穴から出てきて、無理矢理目を合わせてくる。
無言で見つめ合う時間が続く
どういう意図で、それを言ったのかは分からない
けど、喜八郎は「いない」ではなく「戻ってこない」
と言った。
縦に首を振ると、僕の頭を撫でて
「そろそろ食堂行こう」
と言い歩き出してしまった
待ってとでも言うように、
喜八郎のあとを追いかけた












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。