第10話

10
264
2026/03/03 08:00 更新
タカ丸さんの前で泣いた朝
今はもう夕方に近い時刻になっていた


喜八郎が穴を掘っているところをボーと眺める
あなた

意気揚々と穴を掘っている喜八郎はキラキラしていた
綾部喜八郎
…♪


何も喋らないけど、
すごくご機嫌ということが見てわかる。
綾部喜八郎
あなたの下の名前



不意に名前を呼ばれる
何というように首を傾げると
綾部喜八郎
朝泣いたってタカ丸さんから聞いた



タカ丸さん。何ばらしてんの?
綾部喜八郎
…あの頃の夢?



多分あの頃というのは
僕がちょうど1.2年生の時のことを指してるのだろう


気まずいので目を逸らすと
喜八郎は穴から出てきて、無理矢理目を合わせてくる。
あなた
綾部喜八郎


無言で見つめ合う時間が続く
綾部喜八郎
あいつらは戻ってこないから大丈夫だよ



どういう意図で、それを言ったのかは分からない
けど、喜八郎は「いない」ではなく「戻ってこない」
と言った。



縦に首を振ると、僕の頭を撫でて

「そろそろ食堂行こう」

と言い歩き出してしまった
あなた



待ってとでも言うように、
喜八郎のあとを追いかけた

プリ小説オーディオドラマ