第11話

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2023/03/15 11:15 更新
目覚めた部屋に戻ると
薬研藤四郎
薬研藤四郎
氷姫…いやあなたって呼んだ方がいいな
あなた、お前のことは俺っちもよく知らない
お前のことを教えて欲しい
膝枕
膝枕
俺は外にいる
何かあれば呼べ
膝丸という男が外に出ていった

過去を知りたいなんていう人っているんだな

私が生まれて死んだことなんて知る必要なんてないのに…
氷咲 (なまえ)【今世】
氷咲 あなた【今世】
…私は
私は…いや私たちは

物心ついた時から暴言と暴力を振られて育った

皆、次の日には冷たくなっていた

女であるということは本当に嫌だった

泣きたかった

逃げ出したかった

でも…逃げるなんてことできなかった

それから数年耐えた

そして10歳を迎えた時、漸く解放された
…そう

解放された…そう思ったのに

あの日私達を解放したのは『鬼』だった

それもただの鬼じゃなかった

人喰い鬼だったのだ

そいつは母を殺し次に父を殺した

その次は妹、兄、弟

どんどん殺していった

私はその時死んだ父の下で息を殺してそいつがいなくなるのを待った

あいつが居なくなったのは朝日が昇る数刻前だった

いなくなったと同時にわたしは父の下からはい出て

家から飛び出した

その時に師範である人に拾われた

その後から起きたこと、経験したこと、悲しかったこと

多くのことを薬研藤四郎に話した

途中涙で顔を見ることが出来ず何度か話を打ち切ってしまったが彼は急かすことなく話を聞いてくれた

最終決戦で犯した…忘れるなんてできない過ちを

どんな最後を迎えたのかを話し終えた時には

もう前なんてみれなかった
薬研藤四郎
薬研藤四郎
…それは疲れちまったな
氷咲 (なまえ)【今世】
氷咲 あなた【今世】
私…最後まで頑張れた…よね?
薬研藤四郎
薬研藤四郎
あぁ、お前さんは最後まで頑張った
この言葉を機に薬研藤四郎に抱きつき声を殺して泣いた

師範以外で初めて泣きついた
氷咲 (なまえ)【今世】
氷咲 あなた【今世】
…ツ…ウウッ
薬研藤四郎
薬研藤四郎
よく頑張ったなお嬢
泣き疲れたのか

いつの間にか私は薬研藤四郎の腕の中で眠ってしまった

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