大広間side
保護した刀剣女子について話していると
薬研の声が聞こえた
少しすると襖が開き薬研藤四郎と共に
無表情の氷姫が入室してきた
氷姫は立ったまま俺の右隣の乱藤四郎(極)と
左隣のへし切長谷部(極)を見た後に俺を見た
俺を見たのはほんの一瞬だけで
視線を外した後畳の上に座った
そこからは全く視線が合わないが
そう元人間であり刀剣の本霊であること
彼女は既に死んでいること
輪廻の輪に戻れないこと
説明もしていないが審神者という単語は知っているのか
氷姫は生前何をしていたのだろうか
刀を扱うのだろうから今でいう警察の仕事でもしていたのだろうか
でもそれならなぜ鬼を切った刀といわれているのだろうか?
審神者について説明をした後、なにか聞かれるのかと思い身構えていたが
え
四肢を失った?脇腹に穴が空いた?
それは…刀剣男士ならば重症または破壊案件だ
こんなことを生前に体験したのか?
周りの刀剣たちを少し見てみると粟田口の短刀たちは既に泣いてる
歌仙なんか雅じゃないとか言ってる
伊達組と三条派は読めない
だがよく見ると眉をひそめていた
氷姫のことを知れるのかと思ったが
審神者について説明をするだけになってしまった
視線が合わないため少し視線を落としてみると
中心付近から青と黒の花弁が舞い上がった
顔を上げ前を見ると刀を抜き戦装束となった氷姫がそこにいた
刀剣男士たちと違ってその刀の刀身は全体的に水色だが少し薄く
先にかけて少しづつ白くなっていた
刀に少し意識を持っていかれたが慌てて彼女を見ると
片瞳だけだったが少し赤に近い色になっていた
薬研に氷姫を落ち着かせるよう言付け少しすると落ち着いたのか刀を落とし
薬研に身を任せていた
刀剣女士…
忘れてたそういえばそうだった
世話をどうするか頭を捻っていた
周りの刀剣たちとも話し合いを行っていると
玄弥?知り合いの名か?
見知らぬ名に膝丸が訂正していたが途中で遮られた
周りの刀剣たちが中心付近の者らに意識を向けたその時
畳に頭を押付け土下座をするように謝り続ける氷姫をただ見ていることしか出来なかった
畳から顔を上げた氷姫の表情はよく見えなかったが何とか落ち着いたみたいだ
大広間を出ていく時刀を忘れていることに気づいた
つかさず膝丸が指摘すると氷姫は何かを呟き刀を鞘にしまって出て行った


















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!